「大人の雑学西洋画家事典」を読んでみました。
この本ってどんな本?
15世紀のヴィーナスの誕生で有名な、ボッティチェッリのルネサンス前から始まり、20世紀のキャンベルスープ缶で有名なアンディ・ウォーホルまでの期間の有名画家30数人を、代表作品と時代背景などを含めて紹介してある本です。500年くらいの期間の西洋画の時代の流れ、〇〇派とか〇〇主義のような、名前は聞いたことがあるけど、どんなものなのか?がいまいち分からない方にも、大枠の知識が理解できる内容になっています。
この本をオススメしたい方は?
・西洋画家についての一般レベルの知識を学びたい方
・西洋画家の大きな時代の流れをざっくりつかみたい方
・各有名画家がどんな人生を歩んだのかを、ざっくりつかみたい方
この本のざっくり紹介
|西洋美術の世界はよく分からない|
西洋美術の世界はよく分からない世界の一つで、学校で教えられることではないので、自ら学ばないといけない分野なのですが、その反面、印象派がどうのこうの、ルネッサンスがどうのこうのなど、大人になると、いきなり一般常識の部類に入ってしまう世界のイメージがあります。
それなら知っておこうと思い、学ぼうとした場合に、敷居を高くしているのが世界史の知識が要求される点です。もちろん世界史の知識が無くても、純粋に絵として楽しめばいいのですが、色々と絵を見ているとそのうち疑問符だらけになります。
「この絵って誰に頼まれて描いたの?評価されてるっぽいけど、当時の認識では人気の絵なの?この時代にいったい何があったの?」と?マークが並んだところに、ピカソの絵がきて、トドメにデュシャンの泉・・・・・
「はい、理解不能」
「美術はよくわかりません。」
「日本人なので葛飾北斎を知っていれば充分です。」
このパターンで挫折するのが、私の今までのパターンです。
|ざっくりと一気に歴史をさらってくれる本|
この本は、世界一有名な西洋画の一つのレオナルドダヴィンチの「モナリザ」の西暦1400年代後半くらいから、1987年没のアンディ・ウォーホルまでの期間で、その期間の各時代ごとの特徴や時代背景が解説してあります。
一気に歴史をさらってくれるので、時代の進行とともにどのような絵が受け入れられてきたのかを、流れで概要を理解できる本で、基礎知識が無い私でも、なんとなく流れがつかめた気になります。
各画家ごとに代表作一点が掲載されていて、どれも有名な絵なのですが、時代を追うごとに並んでいるので、描かれた順番が分かるのも、素人にはありがたいところでした。私の中では順番が結構違いました。この確認ができるだけでも読んだ甲斐があったなと思います。
|説明されると、なるほど!になる。|
昔の絵が宗教画や肖像画の類が多いと思っていたら、依頼人が教会であったり貴族のパターンが多いからなんですね。写真が生まれる前は写実的な表現が求められていたのも、説明されると、そりゃそうかと。
昔は工房で絵を描いていたのも、私には驚きで、職人仕事だったのも、現代ではイメージがつかなかった歴史です。今はチューブで絵の具が揃っていますが、チューブ絵の具が開発される前は屋外で絵を描く行為がそもそもなかったとのこと。さらに航海技術が向上して、日本文化がジャポニズムと呼ばれた歴史も、知らなかった事実です。
この本を読むとアートの世界は、経済の発展や技術革新に影響を受けやすい分野なんだなと感じました。今もNFTやメタバースなどの技術革新に沿った新しい形がありますが、今回のこの新たな形も、アートに影響を与えそうな予感がします。
もう少し、アート関係の知識を学びたいと思える本でした。
ページ数と読みやすさのイメージ
200ページ強くらいの内容です。
ページ数は短いですが、3〜4日程度は、かかると思います。
作品紹介というよりは、作家さんの説明が大半になります。美術史の基礎知識によって、読破する時間が相当変わると思います。
私はこのあたりの知識が一般よりも無い側だと思うので、巻末の年表を見ながら、時代の確認をしながら、「へー」と言いながら読んでいたので、ページ数の割には相当時間がかかりました。
西洋美術史の大枠をつかむのに良い本だなと思いました。
面白かったです。ではでは。