この本ってどんな本?
働いている会社のデータを見ても、会計についての本を読んでも、よくわからなくて、複雑で、なぜこんな複雑なものが使われているのか?という素朴な疑問を、会計の進化の歴史をたどることで、理解できる内容になっています。
・会計目線の世界史に興味がある方
・短時間で会計の歴史を学びたい方
この本のざっくり紹介
サラリーマンの私は、決算書などを目にする機会があるのですが、見てもイマイチ良くわからない。簿記の資格を取るぐらいのことをしないと、だめだなーと思う反面、なんでこんなにわかりにくいのか?という素朴な疑問も持っていました。
個人の家計であれば、収入があって支出があって、あとは投資の管理ができていれば充分なのですが・・・
企業の会計が、なぜそうなっているかを知るには、歴史を知る必要があるなと思い、知り合いからこの本を勧められたこともあり読んでみました。
|今の会計になるのは仕方ない|
この本を読むと、会計が今の形になった理由が分かります。
15世紀のイタリアから始まるこの話は、15世紀の時点では、とてもシンプルです。ざっくりいうと、「借りたもの、出資したもの、買ったもの、そして利益をちゃんと記録する」ほぼ家計管理と変わらない感じなのですが、ここまでは理解できます。
その後、世界史でお馴染みの、東インド会社の登場で、株式会社のシステムが生まれたことにより、適切な配当を出すために進化が必要になったとのこと。ここまでもどうにか理解できます。
更なる進化が必要となった、鉄道の資金集めと運営を行なっていくため、利益を管理するようになったそうです。ここまでもどうにか・・・理解できます。
問題はここからで、株主への配当の問題などもあり、現金主義から配当主義に変わったとのこと。このあたりからが、会計への理解が難しくなってきます。
現金を回収しなくても、販売が確定した段階で売り上げが成立するという考え方は、企業では普通なのですが、私も社会人なりたては面食らいました。コンビニでは商品を買う時に現金を支払いますから、この部分を切り取ると現金主義なので・・・。このあたりで会計士という存在が出てきたとのこと。確かにこのあたりまでくると、専門家が必要になってくると思います。
ここから原価管理などの、企業会計という概念が出てきます。そして国際化の流れでルールが変わっていき今のシステムに落ち着くといった感じとのこと。ただし、今も進化中だそうで、この世界も進化に合わせて勉強が必要な世界なんだなということを感じました。
この本では、マッキンゼーやゴールドマンなどの金融系の大企業のお話も出てきます。こういう感じで生まれた企業なんだと、金融近代史を知ることができます。
ページ数と読みやすさのイメージ
200ページ弱くらいの内容です。
マンガが主体なので読みやすく、1〜2日程度で充分読み終えることができると思います。
さらっと読めます。
会計関係の本は、読むのに会計の基礎知識が無いと、簡単さを売りにしている本でも、なかなか読むのに苦労するのですが、この本は決算書を読むことが目的ではなく、歴史に絞って書かれた本なので、基礎知識不要で会計の歴史を学ぶことができます。
会計に興味のある方にはオススメです。面白かったです。ではでは。