「自衛隊失格 ー 私が「特殊部隊」を去った理由」を読んでみました。
この本ってどんな本?
海上自衛隊に所属して特殊部隊の創設に関わった、伊藤祐靖さんが海上自衛隊を退職するまでの出来事を記録したノンフィクションです。
海上自衛隊の特殊部隊?一般の人にはよくわからない、普通に生きていれば、触れることのない単語だと思いますが、この組織の創設に関わった著者がどのような想いで、この創設に関わったのか、著者の生い立ちからを追って描かれています。著者の半生の自伝のようにもなるのですが、すごい人生です。
著者が所属した1990年より少し前から、2007年までの海上自衛隊の空気感が伝わる内容になっています。私の中では時代としては結構最近なのですが、思っていたよりも色々なことが整っていないという印象を受けました。日本の海上の最後の砦の実態を少し覗くことができる本です。
この本をオススメしたい方は?
・海上自衛隊について知りたい方
・近代の海上自衛隊の空気感を知りたい方
・国防の一つの実態を知りたい方
この本のざっくり紹介
|色々な驚きが感じられる本です|
この本は本屋さんでたまたま目にした本で、私が大ファンの漫画家のかわぐちかいじさんが、文庫版の解説を書かれているとのことで、読んでみることにしました。実際に所属していた方のリアルな目線で、海上自衛隊を書かれているのですが、イメージと異なる部分がたくさん出てきます。ニュースメディアの情報のみでイメージを作っていってはいけないんだなと、今回改めて感じました。色々な発見や驚きがあった本です。
|海上自衛隊の特殊部隊の成り立ち|
今回のメインの一つの、海上自衛隊の特殊部隊なのですが、こういった組織は自衛隊の発足と同時期に存在していたものだと思っていたのですが、創設はかなり現代に近くて、小渕恵三総理大臣の時代に創設が決まった組織だそうです。小渕総理は結構記憶に新しい側の総理なのですが、かなり意外な事実でした。
1999年の能登半島沖の不審船事件がきっかけで、海上自衛隊の特殊部隊の創設に動き出したそうです。この事件は当時の自衛隊の船で不審船に横付けしたものの、突入するための装備や自衛官の訓練がされている状況ではなかったとのこと。ここは大きな驚きでした。私の記憶が正しければ、この時代で日本は世界有数の軍事力を持っていたと聞いていたのですが、軍事力とは規模や設備だけではないんだなと感じました。
この本もそうですが、私のお気に入りの作家さんの、有川浩さんの小説にも自衛隊を題材にしたお話が幾つかありますが、この辺りも合わせて読むと、自衛隊の理解が一層進むかなと思いました。
ページ数と読みやすさのイメージ
300ページ弱くらいの内容です。
読みやすい本だと思います。私はスイスイと読み進みました。集中して読めば一日で読み終わるイメージです。この本は普段知ることのない世界を覗ける貴重な本だと思いした。読んだあとで防衛関係のニュースを目にすると、報道される内容が少し違って見えてきます。ではでは。