【イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章】イングランドの中央銀行が教える経済のしくみ

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イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章 [ イングランド銀行 ]
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経済学、経済について書いた本。
いくつかを本屋さんで選んで読んでみたことがあります。

わかりやすい経済を教えてくれる本はいくつもあるのですが、いつも気になるのが、大半の本が日本の方が執筆されているので、書かれている内容はひょっとして「日本でしか通じないのでは?」です。

この本は、イングランド銀行の公式本として経済を教えてくれる本で、このイングランド銀行はイギリスの中央銀行で、日本でいえば日銀にあたります。

さらにこの本の特徴として、400ページ超えの分厚い本なのですが、内容がわかりやすいこと、一冊がストーリのように続いていて読みやすいこと、素朴な質問とその答えが埋め込まれていることです。

この本を一言で言うと、
「イングランドの日銀みたいなところが、わかりやすく経済の本を書きました。言いたいことが多くて分厚くなったけどね」
こんな感じの本です。

あまり他国の中央銀行が、経済本を出版すること自体が珍しいので、それだけでも一読の価値ありです。

目次
序章_経済学はどこにでも
第1章_食べたい朝ごはんを選べるのはなぜ?
第2章_経済学は気候変動問題を解決できる?
第3章_どうすれば賃金は上がる?
第4章_ひいひいおばあちゃんの代より私たちの方がゆたかなのはなぜ?
第5章_私の服の大半がアジア製なのはなぜ?
第6章_どうしてフレッドはもう10ペンスでは買えないの?
第7章_そもそもお金って何?
第8章_タンス預金が好ましくない理由は?
第9章_どうして危機が起きると誰もわからなかったのですか?
第10章_中央銀行がどんどんお金を刷ることはできないの?
終章_あなたも経済学者

 

この本の内容拾い読み

インフレとデフレ

Nattanan KanchanapratによるPixabayからの画像 

インフレとデフレ。
今の日本はインフレ状態で苦しんでいて、ひと昔前はデフレで苦しんだ・・・
日本というのは、経済的になかなかの試練が続く国のようです。

イギリスが1994年に1ポンドで百万長者になれるとの宣伝文句で、国営の宝くじを販売して、実際に当選者で山分けとなり当選した人は、一人当たり5800万ポンドを手にしたのだそうです。

当時は、5800万ポンドはトヨタのSUVが40台買える程度の価値だったようなのですが、世の中は緩やかなインフレなので、物価がゆっくりと値上がるということで(一般的にはゆっくりインフレ状態が好ましいと言われています)、仮に2022年までタンス預金していたとすると、1994年と比べて賞金の価値はだいたい半分くらいになっているのだそう。

近代は多くの先進国が平均2%のインフレ率だったそうなので、ということは単純計算で約30年間で60%の物価上昇になるので、貯金の利息頼みではインフレには対応できないことがよくわかります。

ただ、のインフレは悪いことばかりではなくて、債務を持っていた場合は、インフレが起きると、事実上の債務の目減りが起きるので、巨額の債務を抱えた政府が意図的にインフレを起こして、債務を減らす手法は昔からある考え方としてあったのだそう。

(昔は百円で豪邸が建った時代の百円の借金も、現代においての百円の価値が昔と比べて運と小さくなるイメージ)

こういったインフレ状態になると、ガンガン買い物をしがちな若者有利の状態で、蓄えで老後を暮らすことを考える高齢者にとって不利な状態になるようです。

日本はデフレスパイラルの渦に、バブル後に失われた30年という名前がつけられてしまうくらいまで、はまり込んでしまったのですが、気が付けば、多くの国が緩やかなインフレを続けてきたことで、デフレが続いてインフレが起きていなかった日本は、今となっては外国へ旅行するのはとんでもないお金が必要になってしまいました。

1ドル60円台だったのが、今や1ドル150円、160円台の世界なので、2.5倍くらい貨幣価値が開いてしまったことになります。

世界との関係を考えると、日本が孤立しないためにも緩やかなインフレは必要な気がします。

終わりに

インフレとデフレなどの、当たり前に出てくる経済用語。
一般常識の範囲と思われているものも多いのですが、この本はわかりやすく丁寧に解説をしてくれています。

経済の本は、本屋さんに行くとたくさん並んでいますが、難しい本もたくさんあります(そういう本にかぎって、「分かりやすい」というタイトルがつくことが多い気がします)。

そんな人にも、この本は分厚いので若干怯みますが、内容については分かりやすい本だと思います。
いい本でした。

ではでは。

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