北海道日本ハムファイターズ新球場 ES CON FIELD 誕生!
今年のプロ野球の開幕前の一番の話題が、北海道日本ハムファイターズの新球場です。
新球場を作ることが、どれだけ大変で、どんな問題が出てくるのか?
この本は、球場移転のプロセスから球場完成までを追った、ドキュメントになります。
特に北海道日本ハムファイターズのファンには、オススメの一冊です。
ソフトバンクや楽天やDeNaが、メジャーリーグに倣い、野球の興行以外にも、周辺の施設やサービスに力を入れて、広く運営していますが、北海道日本ハムファイターズも参戦といったところでしょうか。
何かワクワクします。
プロ野球の新球場を作るきっかけ、この大型プロジェクトを進めていく過程での社内外の説得や、建設場所となる地域の交渉など、滅多にない規模のプロジェクトを追った本は、なかなか無いです。
目次
第1章_流浪する者たち
第2章_眠れる森
第3章_フィールド・オブ・ドリームス
第4章_食肉王の蹉跌
第5章_アンビシャス・シティ
第6章_リトル東京のジレンマ
第7章_創造と、想像と
第8章_ラストイニング
第9章_運命の日
この本の内容拾い読み
借家だと難しい
ちょっと詳しいプロ野球ファンであれば、以前の本拠地の札幌ドームが、コンクリートに人工芝を敷いているので固いグランドになり、あまり野球向きではないというのは、知られていた情報です。
サッカーやコンサートなどにも使うことを想定している、多目的ドームなのであれば仕方ない面もあるのだと思いますが、選手やスタッフには優しくない施設だったようです。
札幌ドームの所有者が札幌市で、日本ハムファイターズは札幌ドームを借家で使用していたそうなので、小さいことの改善も難しかったのだとか。
広島カープの本拠地のマツダスタジアムは、スタジアムのデザインと指定管理者を広島カープが行い、市が建設費用を負担し、広島カープが使用料を市に払うという枠組みなのだそうですが、プロ野球の球場というのは、市との関係性の作り方が、本当に大事なようです。
地域に受け入れられるか?
北海道日本ハムファイターズの新球場の建設のための条件は、敷地の拡張性であったり、市の協力のスタンスであったりと、いくつもの条件があったようですが、周辺地域の理解がどの程度得られるのかということは、かなり大きな問題だったようです。
家の横に新球場ができて嬉しい人もいれば、嬉しくない人もいるということで、札幌市内の建設候補地はどこの場所も嬉しくない人の声が大きかったようですが、それでも札幌市内の最終候補地になった真駒内エリアも、地域住民の高齢化に伴い、静かな居住空間を求める人が多かったそうで、難しいタイミングだった様子が伝わってきます。
北広島市は利用方法に頭を悩ませていた広大な森があって、近隣住民との関係性のストレスは札幌市と比べて、圧倒的に少なかったようです。
「地域へのタイミングが良かった。」
プロジェクトの成否を決めるのにタイミングの要素が大きいというのは、少し意外な気もしましたが、こういうところが重要なんだなと感じます。
終わりに
日本ハムファイターズが北海道を本拠地とした時には、本当に北海道にプロ野球が根付くのか?と心配になったものですが、スター選手が次々と現れ、いろんなドラマが生まれて、すっかり北海道の球団になったなーという印象です。
遠くで見ている分には、北海道の顔になってきたから、新しいスタジアムを作ったのかな?くらいの認識だったのですが、球場移転の内情はなかなかシビアで、止むを得ない面も多々あったんだなということが理解できました。
ビッグプロジェクトの成否を分けるものとは・・・?
面白い本でした。
ではでは。