お金が増えない、貯まらない。
お金で損はしたくない。
お金は多い方がいい。
とはいえ、宝くじに全財産を賭けるのは効率が悪いし、ギャンブルで一攫千金を狙うのも効率が悪そうです。
これらは極端にしても、なんとなく貯金をしたり、なんとなく保険に入ったりと、お金を守ることについて、一応、一般常識の中で何らかの対処をしているのが現状なのでは?
この本はお金を増やすための、直接の指南書ではないのですが、知っておかないと、増やすことが難しくなったり、稼いだお金を守ることが難しくなったり、などのお金にまつわる知識が得られる内容になっています。
お金のリテラシーの底上げをしたい方には、面白い一冊になるのでは?
目次
序章_お金のことを知るなら「資本主義」から
1章_「お金」の本質を知っておく
2章_証券会社、銀行、保険会社のセールスの話は聞かない方がいいのか
3章_「お金を借りること」の本当の意味
4章_投資以前ー行動する前に知っておくべきこと
5章_外国に投資するとはどういうこと?
6章_日本の経済は今どんな状態なのか
7章_本当の「景気」を読む
8章_歴史から学ぼう
9章_相続について
この本の内容拾い読み
プロですらなかなか勝てない投資の世界
「投資信託で市場平均に投資する投資に、長期的に勝つのは難しい。投資のプロでもなかなか勝てない。」
インデックスファンドを調べると、こんな言葉がちょいちょい出てきます。
でも、プロでもレベルはあるわけで、最強のプロならインデックスファンドに勝てるのでは?こんな疑問の検証をした実例があるんです。
過去に、Long Term Capital Managementという、ノーベル賞を取るほど頭の良い人たちを集めて、資産運用を行うファンドがあったのですが、運用結果は、世界の金融市場が壊れるレベルの大損をしたのだそうです。
この結果、世界レベルの優秀な人を集めても、負けるときは負けるという証明が成立しています。
この本では高い確率で勝つための投資の一つとして、S&P500指数というアメリカの上位500社の平均株価に投資する、インデックスファンドを紹介しています。
このS&P500指数ファンドに投資した人と、実際の個別の企業を選定して投資した人の10年間を比較した調査結果を見ると、S&P500指数に勝った人は全体の30%程度だったとのこと。
プロでも勝つ確率が低いのであれば、S&P500指数に賭けるのが賢明なようです。
本当にすごい投資家の正体
S&P500指数に勝つのは困難。
とはいえS&P500指数に勝っている人もいるのも事実。
どんな人なのでしょうか?
ノーベル賞レベルの経済学者でも勝てなかったS&P500指数。
金融の世界に生きていた著者が、投資ではこの人に絶対勝てないと思った人がいたそうです。
この人は、トランプ政権の誕生もリーマンショックも大企業の倒産もことごとく言い当てたそうで、その見識からとてつもない投資リターンを叩き出したのだとか。
その人は、
小学生では、企業財務に興味を持ち「会社四季報」を全て読み込み、日本の上場企業の過去10年くらいの、財務と経営者、株主の状況が頭に入っていたそうで、
中学では、日本中のすべての国会議員の政治信条や派閥、支持母体を記憶し、政治・官僚システムを把握していたそうです。
高校生では、世界情勢、世界政治、海外株式事情、世界の歴史2000年分ぐらいの詳細が頭に入っていた状態だったとのこと。
この人の投資成績は、ラクラクS&P500指数に勝っていたそうです。
こんな人に運用を任せられれば良いのですが、こういう人を見抜くことがまずできなさそうです。
逆にいうと、この方向の努力をすると、お金のリテラシーが上がるとも言えそうです。
相続について
この本の巻末に相続について、おまけコラムが書かれています。
ケースは、父親が死亡して、母親と子供が相続する場合の想定です。
1️⃣親の死亡を知ってから3ヶ月経つと自動的に相続が起きる。
2️⃣相続するのが借金なのであれば相続放棄という制度がある。
3️⃣財産と借金のどちらが大きいかわからない場合は、限定承認という、財産と借金を比べて財産の方が大きい場合のみ相続する制度がある。
4️⃣親の死亡を知ってから3ヶ月経つと財産も借金も全部相続することが確定する。
5️⃣遺言書は裁判所に持って行って、検認してもらって「検認済証明書」をもらう必要がある。
悲しくても、冷静に行動することが必要なようです。
難しいですけどね。
終わりに
お金のリテラシーを上げるには、投資や経済や企業や社会情勢や歴史など、幅広い分野の知識が必要になるなと思います。
これらの知識は幅広いので、たくさんの本を読んで、広く情報を入れて、そして考えてというのが理想なのですが、この本は幅広い分野の情報を網羅してあるので、効率良く学べる一冊です。
この本きっかけで、この本に書かれている情報を掘り下げていくのも、お金のリテラシーを上げる方法の一つかなと感じました。