教室で少ない人数で経済実験したどうなる?【 チョコレートパイは、なぜ1個目がいちばんおいしいのか? 韓国最強の「実験経済部」の生徒が学ぶ中学生でもわかる経済のはなし】

経済ってニュースでは報道されるけれど、実際になぜそんなことになるのかよくわからなくないですか?

物の価格はどうやって決まっていくのか?
カルテルはどうしたら成立するのか?
経済の見えざる手はどういう仕組なのか?

報道やネットでは、経済アナリスト的な人が解説してくれていますが、その解説を聞いても・・・・それ以前の問題で、そもそものメカニズムがわからない。

この本は、少人数の教室で色々な経済についての実験を行なって、実際に経済現象を、実際に確認していきます。

経済の基本的なことを知りたい人には、読んでみてはいかがでしょうか。

この本の内容拾い読み

イギリス式とオランダ式オークション

価格決定が明快なオークション。
このオークションにはイギリス式とオランダ式があるそうで・・・・

イギリス式オークション
最小金額から、どんどん高値で競り落とす人を募るやり方。オークションの一般的なイメージ。


オランダ式オークション

高い金額から値を下げていき、最初に手を挙げた人が落札するやり方。

一般的に美術品のオークション方式は、イギリス式が採用されているようです。
このイギリス式の経済的な特徴は、自分の支払い意思額に対して、安く落札できる可能性が高いという点にあります。
例えば、とある美術品に100万円までは支払う気があるのだけれど、実際には90万円で落札できた場合は、10万円の余裕があったということになります。
これを「消費者余剰」というのだそうです。

対してオランダ式は、高い金額からスタートするので、絶対に競り落とそうと思ったら、希望価格まで下がった段階で、手を挙げる必要があります。
100万円までは支払う気があるのなら、100万円まで金額が下がった段階で落札することになるので、先程の例の余裕がなくなり、この場合を「消費者余剰」はゼロということになります。

消費者余剰目線で価格決定のプロセスを考えると、価格の決まり方について考えさせられます。

 

カルテルは崩壊する?

カルテルが摘発されるニュースは一定のペースで出てくるニュースなのですが、このカルテルという定義は以下の通り。

カルテル
価格、生産量などについて協定を結んでできた独占形態の企業連合のこと。

一つの市場に企業がいくつもない場合を「寡占」
寡占の企業同士で価格や生産量などを決めることを「談合」
この談合が協定になると、これがカルテルという行為になります。

摘発されるということでもわかるように、カルテルは法律で禁じらてれている行為です。
理由は消費者保護で、価格を吊り上げられると消費者が被害を被るのが理由になります。

「寡占」状態の市場であれば、プレーヤーの数が少ないので、比較的「談合」が成立しやすいのだと思いますが、このカルテルが崩壊するケースは、談合という協定を誰かが破った場合になります。

なぜこの協定を破るのか?破ったプレーヤーには瞬間的に大きな利益を得られるというのが基本的な理由になります。
法律で禁じられている行為を、お互いに破らないように協力し合う・・・なかなかリスクの大きい行為だなと思います。

ちなみにカルテルが行われていないかを公正取引委員会で監視しているそうですが、情報源は意外に協定を組んでいる関係者からの内部告発なのかもしれません。

 

終わりに

いろいろな経済の基本的な現象が、最小と思われる人数で再現されているのですが、少ない人数での想定なので、経済で起きている現象がわかりやすい内容になっています。

もちろん経済はさまざまなことが作用するので、この本のように、こんなにシンプルには進まないのだと思いますが、基本的なメカニズムがわかっていないと、そもそも理解ができないのも事実です。

基本的な情報を整理するのには、いい本だなと感じました。

ではでは。

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