【本屋、地元に生きる】街の本屋さんのリアル

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本屋、地元に生きる [ 栗澤 順一 ]
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 街の本屋さんが消えていっていませんか?

この本は、街の本屋さんが生き残るために取り組んでいる、さまざまなことや、街の本屋さんの現状を見ることができます。

昔はどの街にも、駅前には必ずあった本屋さんが、最近本当に珍しくなり、本屋さんといえば、大型書店か、ショッピングモールの中か、エキナカの3択くらいのイメージです。

街の本屋さんのリアル、筆者が働く「さわや書店」さんの奮闘から、書店業界の現状を見ることができます。

 

この本の内容拾い読み

バランスを捨てる。

本屋さんの本の品揃えって、本屋さんによって結構違いがあると思うのですが、「さわや書店」さんの品揃えも、以前は広いジャンルの本を揃える、総合書店のスタンスを取っていたそうです。

ところが近くに、大型書店チェーンのジュンク堂が進出してきたことで、総合書店のスタンスを取っていても勝ち目がないと判断し、広く浅くというバランス型の品揃えをやめて、少人数に刺さる品揃えを目指したのだとか。

その結果として、店頭でお客さんから本の問い合わせを受けて、店になかった場合が発生するので、そのときは「近くのジュンク堂に行ってください」と割り切って答えるようにしていたそうです。

割り切り方がすごいですが、尖った本屋さんの方がテーマパークっぽくて、利用者としては魅力的だなと感じます。

モノやサービスを買ってもらう仕事をしていると、同じようにバランス型でいくのか、尖った形でいくのかという判断が出てくるのですが、その判断はなかなか難しいのも事実です。

 

POPは難しい

本屋さんによくある、手書きのPOP。

本屋さんのPOPのイメージといえば、名刺くらいの大きさのカードに、書店員さんのおすすめ文章が書かれていたり、少し大きなボードが平積みの本の壁に貼ってあったりといった感じなので、見ているだけでも楽しくて、ついつい紹介されている本を手に取ってしまうことも、ちょいちょいあるのですが。

このPOPが素人が思うよりも手間と労力がかかっているんだそうです。

まず、一冊の本を読んで一つのPOPを作るのではなく、何冊も読んだ中から店でおすすめしたい本のPOPを作るのだそうで、これだけでも相当な読書量。

とある作家さんの一冊を紹介しようとしたら、対象の一冊だけではなくて他の作品も読む必要があるのだとか。

さらに、似た系統の作家さんと比較しようとしたら、その作家さんの本も読む必要があって・・・

そして、そもそも売りたいと思える本なのか?POPがその本に取って相性がいいのか?そこまで考えなければならないのだそうです。

書店のPOPの世界は、ものすごい時間と労力がかかっているんだなと感じます。

 

終わりに

この本屋さん、この著者の方は、とにかく色々仕掛けます。

イベントを仕掛けたり、醤油を販売したり、お酒を飲む企画だったりと、おおよそ書店員さんとは思えない動き方をしたりと、地域に必要とされる書店にしていきたいという意志を感じます。

色々と仕掛ける本人がすごいのは当然なのですが、それを良しとしてくれる会社やスタッフさんも支えてくれているんだなと感じました。普通、こんな働き方をしたら、周囲から拒否されて終わりです。

一般イメージの書店という枠を超えて、色々な手を打っていく姿勢は、自分の仕事のやり方を考えさせられます。

どの業界でも、まだやれることはたくさんある。そんな本です。

ではでは。

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