起業して経営していたマッサージチェーン店を売却して、270億円を手に入れた、竹之内社長のビジネスの考え方と、実際に起業から展開さらに売却までどのようなストーリーをたどったのか?
他にも経営している企業の実例も含めて、実際のオペレーションの改善や、業務の進め方を学ぶことができます。
企業経営をしたい方、起業するイメージをつかみたい方、会社員として働いている方にもオペレーションの改善や、業務の進め方の参考になる本で、巻末にはQ&Aで起業や経営の質問回答コーナーもあります。
この本ってどんな本?
こんな方におすすめです
・270億の企業売却とはどんな世界なのか?
・起業の具体的な実例を知りたい方
・現状を疑う現場のトライアンドエラーの考え方を知りたい方
270億円の企業売却とは一体どんな世界なのか?
270億円の企業売却は、「りらくる」というマッサージのチェーン店で、7年間で直営店を600店以上に拡大したそうで、このスピード感は本を読んでいても感じる凄まじさです。
最初は初めの一店舗があって、そこから二店舗目という増やし方だったのが、ある時からは月に10店舗の拡大ペースに切り替わっていきます。
運営の仕方、管理の仕方、最初から多店舗経営することを前提にしていたと書かれていますが、とはいえ、店舗の拡大ペースに対応するために、柔軟に管理やオペレーションを色々と変化させていく様子、さらに「本当にそうなのか?」という疑問や常識と言われることを、次々と実験でデータを集めて確認して改善していく様子は参考になります。
大きな規模の組織なので、社長は大きなところだけを決めているイメージだったのですが、イメージと反して細部を詰めることを大事にされています。この細部を詰めていくあたりは、仕事の参考になりそうです。
読みやすさのイメージ
250ページくらいの内容です。
2〜3日で読めると思います。
読みやすい本です。ビジネス書の分類となると思いますが、ストーリー性もあって読み物としても面白い本です。
この本のポイントなどなど
「成功しているものを真似る」
著者の竹之内さんは「成功しているものを真似る」ということを重視しているのだそうです。すでに成功事例があるのだから、失敗する確率が非常に少なくて済む。というのが理由なのだそうで、本当に誰もやっていないビジネスというのは、宝くじに当たるようなものというイメージなのだとか。
「オリジナルが大事で、それが差別化の源泉だ!」こんなことを、実社会では言われることが多いのですが、完全なオリジナルと思っているものも、実はどこかで誰かが試した可能性の方がはるかに高いそうなので、結果的に知らず知らずのうちに真似ていることになるのだとすれば「成功しているものを真似る」という考え方にシフトした方が、ターゲットが明確になる気がします。
ビジネスである以上は確率は重要で、一攫千金の勝負は小さく試すぐらいはいいのかもしれませんが、メイン事業は確率を無視するわけにはいきません。「成功しているものを真似る」という考え方は、実践的な考え方だなと思います。
仕組み化の実践
事業店舗を増やす、事業範囲を増やす。どうであれ拡大する際には、人的資源の手当てが必要になってきます。
ふわふわした言い方であれば、「作業の効率化で増えた範囲をカバーする」というという方法を模索することになるのですが、具体的な手法となるとなかなか難しくて、結局何も進まない、もしくは現状の作業を普段以上に頑張る(長続きはしませんが・・・)このあたりがよくあるパターンだと思いますが、
この本で提唱している方法は具体性のある方法です。
・優秀な人がやっている作業を掘り下げて分解し、
・その中から他の人がやらないことで成果を上げる方法をピックアップし、
・その部分を誰でもできるようにルール化して、
・それをやれているのかチェックできるようにする。
以上の4工程の方法を提唱しています。
この方法は、もちろん今回の本の舞台となっているマッサージのチェーンでは効果絶大なのでしょうが、他のジャンルの業務でも応用が効きそうです。
優秀な人がやっている作業を掘り下げて分解する工程は、取り組みやすいけれども意外とやれていなくて、この人すごいなと思っても、作業を掘り下げて分解することはまず無いので、このあたりを意識するだけでもかなり変わるなと感じました。
終わりに
確実にビジネスで勝つことを意識した内容の本だと思いました。本のタイトルの金額が大きすぎるので、遠い世界の話だと読む前は予想していましたが、意外に細部を詰めることを大事にした内容の本で、普段の仕事にも応用できそうな内容でした。
ではでは。