「共感ベース思考」IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得。を読んでみました。
家業の魚屋さんを継ぐことが、小さい頃の夢だった2人姉妹の長女が、IT企業を経て、家業の会社に就職して業務改革を次々と進めていく話なのですが、その過程で色々な問題が出てきて、立場やキャリアなどの問題もあり、改革の難しさが出てきます。どうクリアしていくのか?面白い本でした。
YouTubeチャンネルも開設していて、楽しそうに魚の紹介をしてくれています。ほのぼの系で癒されるチャンネルです。
この本ってどんな本?
こんな方におすすめの本です。
・魚屋さんの普段のお仕事を知りたい方
・足りない部分を探して足していく働き方の例を見たい方
・業務改革の難しさを学びたい方
家業の魚屋さんを継ぐべく奮闘中の、二代目の事業継承のやり方と、色々な問題をクリアしていく過程、SNSやYoutubeでの情報発信を始めていく様子などが、二代目の目線で書かれた本です。
魚屋さんといっても、色々な段階があるそうなのですが、この会社は、市場で仲卸さんから、魚を買い付けて、魚屋さんとして販売、飲食店も経営していて、そこで料理を提供するという、消費者と近い立ち位置の会社のお話です。
消費者に知ってもらうための情報発信の様子は、これからSNSなどの情報発信を始める方の、参考になると思います。
二代目の事業継承については、この会社の場合は創業者が自分の親で、その会社に入るのが創業者の子供というパターンで、この方は事業継承を進める第一歩として、実績作りなどを始めます。また、会社に足りないことを探して、特に創業者が苦手としている分野に注力していくのですが、この方法は面白いやり方だなと思いました。
事業継承の難しさを聞くことがありますが、この本に書かれた方法は、創業者と二代目の間に発生するストレスが抑えられて、従業員や関係業者さんなどの、組織へのストレスも少ない方法なのかな?と感じました。
読みやすさのイメージ
200ページくらいの分量です。
読みやすい書き方で、1〜2日ぐらいで読み終わると思います。
読みやすい本です。巻末に魚料理レシピと絵本がありますので、本編のページは、さらに短いです。さらっと読めると思います。
この本のポイントなどなど
知ってもらう伝え方
自社で作っている「おせち料理」が、出来合いのものを買ってきているのではなく、ちゃんと裏方で手作りをしていることを、知ってもらうためにSNSで発信したことがことが、SNS活用のきっかけだったそうで、このように、ちゃんとやっているプロセスを伝えることで、消費者の共感を産むんだそうです。
裏方やプロセスは、結果となる商品やサービスのための過程であって、あまりオープンにするものではないなと思っていたのですが、確かに裏側を見たりするテレビ番組や、Youtubeチャンネルは、興味深いものが多いなと、このあたりは情報発信として大事な部分だなと改めて思いました。
裏方やプロセスは、伝え方が難しいですが、この会社は「信頼」「魚好きを増やす」を伝えるためという、根本の考え方があるそうなので、YouTubeチャンネルを観ても、安定しているなと感じました。
このあたりの根本の考え方が、しっかりしていないと、ただの登録者数を稼ぐための企画に走りがちになるんだなと感じました。
情報発信の一環で行われている、魚屋の森さんのYoutubeは面白くて、私はファンなのですが、このチャンネルを見ると、魚を丸のままだったり、サクで買いたくなります。私もこの本を読んで、久々に魚をサクで買って料理しましたが、魚料理を作るのはやっぱり楽しいです。
二代目の事業継承の難しさ
創業者から二代目に事業継承する難しさ、いろんな媒体で見ることもありますし、実際に私も仕事上付き合いのある会社での事業継承の難しさを聞くことが多いです。
著者の朝奈さんは、会社の業務で手薄だったり、手がつけられていない「穴」を見つけて埋めることから始めたとのこと。これは先代の苦手分野をカバーする意味と、ゼロイチの仕事であることで実績となることを狙ってとのことだそうです。
頭の良いやり方だなと思って読んでいました。従業員のストレスが少ないやり方だなと思います。ただ、この方法は、どの会社も使える方法でなく、創業者の気力や体力が充実していることが条件になるなとは思いました。
二代目が事業を継承することが難しいのは、多くの場合は二代目が会社に入ると、創業者と同じ作業をすることが多く、同じ作業をするとシンプルに従業員が比較できてしまうのが問題なんだと思います。
創業者の気力や体力が充実している状態で、二代目を入れて創業者と同じことをさせない。良いやり方だと思います。参考になります。
終わりに
この本の最後に、簡単なお魚料理レシピと絵本が付いています。全て読んでからYoutube チャンネルを見ると、より世界観が伝わってきます。
楽しそうな会社です。この会社で経営しているお店で、食事をしてみたくなりました。
ではでは。