【怖い理由は聞けばわかる】展覧会の「怖い絵」

展覧会の「怖い絵」を読んでみました。

「怖い絵」展という展覧会が開催されたのですが、そこで展示された絵と、その絵の解説を丁寧に書かれた本です。西洋絵画の知識の幅が広がります。

この本ってどんな本?

こんな方におすすめの本です。

・西洋文化での怖い絵を見てみたい方
・西洋画の知識の幅を広げたい方
・文化と歴史が絵に与える影響を知りたい方

「怖い絵」展。

私は、この展覧会は知らなかったのですが、68万人を動員し最長で3時間半の待ち時間の大行列を作った展覧会だったそうです。

本のタイトルに惹かれてこの本を手に取ったのですが、この本で紹介されているのは、展覧会で展示された作品のうちの18作品と、その絵を補足するための絵が幾つか掲載されています。

この本では、あまり西洋画に詳しくない人でも知っている作品、例えば、ゴッホのひまわりとか、ピカソのゲルニカとか、モネの睡蓮などのような知名度抜群の絵は出てきません。よくある西洋画入門のような本には出てこない作品ばかりが掲載されています。

この「怖い絵」というカテゴリーで作品を集めると、本当に面白い。一見怖い絵に見えない作品ばかりなのですが、解説を読むと、各作品に込められた「怖い」が浮かんできます。西洋画に詳しくない方でも謎解き気分で、西洋絵画を楽しむことができる内容になっています。

読みやすさのイメージ

200ページ強のページ数で、
とりあえず普通に読むのなら、2〜3日くらいはかかると思います。
じっくり味わいながらも楽しめるので、その際は相当な時間をかけることもできます。

絵が先に来て、その後に解説分と、補足資料としての絵が出てくる構成になっています。毎日少しずつ読むのも良いかもしれません。謎解き気分で読み進めるのがおすすめです。

この本のポイントなどなど

ここからは、気になった作品を紹介します。
実際の絵は、本書を読むかググるかしてみてください。

モッサ『彼女』

1905年と新しい時代の絵です。著者も述べていますが、どこかアニメ風の絵柄の雰囲気があり、インパクトが凄い絵です。ぱっと見は不気味な絵でしたが、解説を読むと、この絵のメッセージが見えてきます。

普通に解説無しで、展覧会でこの絵を見ただけだと、「不気味」の一言で終わると思います。この本の解説を読んでから実物を見てほしい絵です。絵の中に細かいメッセージが散りばめられています。細かく観察する大事さも教えてくれる絵です。

ローランス『フォルモススの審判』

ヨーロッパで起きた死者裁判の模様を描いた作品です。実際に埋葬後9ヶ月後に掘り返して、椅子に縛り付けて裁判をしたそうです。一方的に糾弾して終わるようですが・・・

あきらかにミイラと一瞬でわかる絵で、ぱっと見でも不気味さは伝わってくるのですが、解説を読むと絵に散りばめられたメッセージに気づかせてくれます。

ヨーロッパの歴史を垣間見れる作品です。

ドラローシュ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』

本書でこの絵には詳しい解説がついていません。これから処刑されてしまう様子を描いた作品なのですが、この展覧会の顔ともなる作品だったそうです。

解説があると、絵の中で私が気がついていない部分がたくさん出てきて、歴史的背景を解説してもらえたら、さらに理解が深まるとは思うのですが、その部分には目を瞑っても、絵の怖さは伝わってきます。

最後にこの展覧会の開催の大変さが、当時の様子と一緒に書かれているのですが、作品を借りるというのは、本当に大変なんだなということが伝わりますし、この作品は本当に大変だったようです。

終わりに

この本に紹介されている絵は、初めて見る絵ばかりでした。西洋画に詳しくない私でも、楽しめた本でした。絵の解説と歴史背景の説明があるので、絵以外の部分でも、読み物としても面白い本でした。

ではでは。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA