2002年に出版された、三枝匡さんのビジネス小説3部作の一つで、ロングセラーとなっているこの本に、大幅な加筆が行われたのが、今回の本。
今でこそ、小説調であったりマンガを挟んだりするビジネス書は、たくさんありますが、2002年頃の当時には、小説のかたちを取りながら、ビジネス理論を解説するというのは、本当に珍しい手法の本でした。
当時は一気に3部作を全て読んだ記憶があります。
当時はインターネットを取り巻く環境も、今よりも使い勝手の悪いこともあり、世の中のビジネス情報も今ほど簡単には得ることが難しい時代でした。
そんな中で、この本から感じられるビジネスの世界のスケールの大きさに飲まれた記憶があります。
そして、今回の大幅加筆版。
昔読んだことのある人には、懐かしいと感じる部分も多々あって、昔を思い出しながら読まれてはいかがでしょうか?
目次
第1章_経営者になりたい
第2章_国際レベル人材を目指す
第3章_経営者への第一ステップ
第4章_決断と行動の時
第5章_飛躍への妙案
第6章_本陣を直撃せよ
第7章_戦いに勝つ
第8章_戦略経営者の初陣を終える
ビジネス戦略と分析手法
ビジネス戦略や分析ツールは、時代が移っていくと色々な理論が出てきますが、よく見ると情報の取り方であったり表現方法が、ツールの進化とともに変わっていっただけで、本質はあまり変わっていないものが多いことがよくあります。
最新のツールでコーティングされてしまうと、全く違うものに見えてしまいがちですが、昔から学ばれ続けているものには意味があるんだなと思います。
この本に書かれている、ビジネス理論や分析手法などは、2003年の当時に当時に書かれていたものですが、今でもビジネスの現場で普通に使われているものばかりです。
基本的な理論は、簡単には色褪せないんだなと感じます。
戦略は十分にシンプルか?
「戦略は十分にシンプルか?」
なかなか現実のビジネスでは、十分にシンプルな戦略にはなかなか出会えない印象です。
この本でのシンプルな戦略のイメージの目安は
「ご飯を食べながら子供に説明して理解してもらえるもの」
なかなか高いハードルです。
しかし、このレベルに落とし込まないと、短時間で先方の担当者に伝えることは難しいですし、担当者から決済者に説明して口説き落としてもらうことを考えると、このぐらいのシンプルな戦略にしておく必要がありそうです。
終わりに
この本では、分析やフレームワークなどのビジネス理論について書かれていますが、同時に実際に動かしていく際の泥臭い手段についても書かれています。
ほぼ著者の実体験がベースになっているそうで、「ビジネス理論の理屈はわかるけど、実際は難しい」という部分の苦労や工夫が書かれていて、具体的な実施例の参考にもなる一冊です。
ではでは。