「運動が脳を鍛える」
「運動がストレスや、うつの症状を改善する」
「運動にそんな効果がある?」
運動すると脳がスッキリするのは、なんとなく体感である人も多いと思いますが、
「運動が脳を鍛える」
「運動がストレスや、うつの症状を改善する」
運動することによってこれらの効能が得られるということを、実験で実証し、科学的に説明した内容の本です。
内容はかなり専門的で、通常の健康関連の本というよりは、専門書に近い印象の本になります。
運動で脳機能が改善するという理論を知ってみたい方には、少し専門的なので読みにくいかもしれませんが、一読の価値があります。
この本の内容拾い読み
有酸素運動が脳のトラブルには有効
この本は、脳が関与するトラブルや機能改善として、学習・ストレス・不安・うつ・注意欠陥障害・依存症・ホルモンの変化・加齢について運動との関連性が書かれていますが、これらを改善するための運動の基本は有酸素運動になります。
有酸素運動のわかりやすい例は、ジョギングなどの長距離を走ることですが、要は心拍数が一定の数値以上を超えた状態を、一定時間キープするのが重要なのだとか。
なので、テニスなどの球技でも、この条件に合っているのならば有効ということになります。
各症状によって試した実験やデータが異なるので、一概にどのくらいというのは書かれていないのですが、どの症状にあっても有酸素運動の有効さが伝わってきます。
ちなみに重量上げに代表される無酸素運動ですが、こちらについてはこの本ではほとんど扱われていません。実験も行ったようですが、脳機能の改善についての有効なデータが取れなかったのだそうですが、骨の強化に繋がったりなどの加齢対策には有効なのだとか。
医学的な処方と運動は併用する
脳のトラブルが起きると、病院に行って薬を処方してもらうのが一般的ですが、この本では薬を否定しているわけではなく、運動との併用をお勧めしています。
実際にうつなどの塞ぎ込む思考に陥ってしまった時に、運動する気力が出るかは、その時にならないとわかりませんが、運動の例として家の中にエアロバイクを置いて漕ぐとか、なわとびを行うとかの方法で、身近に運動できるものを用意しておくパターンも書かれています。
運動の機能改善効果の研究が進んで、本などの媒体で発表できるようになったのは、近年のお話だそうなので、ここから先に研究が進めば、もっと使いやすい理論になるのではないかと期待してしまいます。
現段階では、脳のトラブルに陥った時に「運動」という改善策を選択肢として持っておくことが重要だなと感じました。
終わりに
この本350ページくらいの分量で、普通の本だとしても、かなりのボリュームなのですが、さらに内容が専門的ということもあり、読み切るのには1週間はかかると思いますが、学習・ストレス・不安・うつ・注意欠陥障害・依存症・ホルモンの変化・加齢について少しでも改善のヒントをつかみたいと願っている方には、読んでほしい本です。
読んでよかったです。
ではでは。