運動は脳を鍛える。
いまいちピンとこないこのフレーズ。
そもそも人によって運動の目的は色々あれど、だいたいは
運動で体を鍛えて「身体能力を上げる」
運動で体を鍛えて「体重や体型維持」
運動で体を鍛えて「健康維持」
だいたいこのあたりに落ち着くのでは?
この本の運動の目的は「脳を鍛えるため」です。
脳を鍛えるのなら、脳トレより運動が効く!
脳の世界を学んでみませんか?
この本の内容拾い読み
脳の老化をストップさせる運動
脳の老化は脳の萎縮が大きな要因なのですが、老化防止に脳トレやクロスワードパズルを頑張ったところで、効果は期待できないそうなのです(これだけ色々な脳トレ商品が出回っているのにねー)
脳の記憶や学習能力に大きな影響を及ぼすと言われている海馬という脳のパーツ。
この海馬の機能低下は、脳の機能を考えると大問題になるのですが、この海馬は運動をしている人の場合は萎縮せずに成長するのだそうです。
ちなみに、脳の中ではかなりの容積を占める前頭葉についても、加齢とともに脳が萎縮していく過程で、知的能力が少しずつ損なわれるとのことなのですが、前頭葉の萎縮の進み具合は、カロリーの消費量と密接に関わっていて、よく動いてカロリーをきちんと消費する人は、加齢による前頭葉の萎縮の進行が遅くなるのだとか。
よく動くの具体的な目安として、毎日20分程度歩くことで十分効果が出てくると考えられていて、脳の老化の一つの認知症も、運動をすることで認知症を回避する確率を上げる効果が期待できるそうです。
痩せるため、食欲調整には運動が効く
ランニングやジムに通う人の大きな動機は、痩せたい、筋肉をつけたい。もう少し掘り下げると、「美しい体のシルエットを手に入れたい」ということだと思います。
美しい体のシルエットを手に入れるためには、まずは痩せたい!
痩せるためには運動は有効な方法の一つですが、ここでは「コルチゾール」いう成分に注目しています。
このコルチゾールという成分は血中に含まれていて、コルチゾールは「身体の脂肪の燃焼を妨げる作用」があり、ストレスが溜まると、このコルチゾールの血中濃度が上がるのだそう。
コルチゾールの血中濃度が上がると、腹部に脂肪が蓄積されて、さらに甘いものや高カロリーのものが欲しくなるという、厄介なループにハマっていくそうなので、このループを切るための方法として、運動することをお薦めしています。
運動するとストレスが緩和されて、コルチゾールの血中濃度が下がるので、結果として運動が痩せる方向に進むということなのだとか。
ランナーズハイの作り方
ランナーズハイ。
一握りの長距離ランナーが体験できる脳内麻薬のような状態というイメージですが、この現象は科学的には完全に解明されているわけではないそうなのです。
完全に解明されていないということは、再現性が低いということになるのですが、分かってきている部分も出てきていて、「カンビノイド」と「エンドルフィン」という物質が作用しているというところまでは分かってきていて、この「カンビノイド」と「エンドルフィン」を増やすには息が上がる程度の負荷を与え続ける必要があるとのこと。
そして少なくとも45分以上は走らないとランナーズハイは訪れず、頻繁に走れば走るほどランナーズハイになる可能性が高くなるのだそうです。
意図的にランナーズハイを作り出すところまでは、現在の研究では完全に把握できていないようですが、プチランナーズハイは作れるそうで、30〜40分のランニングを週に3回、息が上がる程度の負荷が必要で、3週間以上続けるとプチランナーズハイが体験できるのだとか。
終わりに
歳を重ねると脳の不安がだんだん気になってきます。
忘れやすいとか、学習効果が若い時と比べて落ちてくるとか、認知症の不安が出てくるとか・・・どう考えても、脳については歳を重ねることによるプラスのイメージが難しいです。
脳を鍛えたいと思っても、対処や予防法がわからなくて、脳トレ系や常に頭を使う環境に身を置くなどの、脳に緊張感という負荷をかけ続けるということが、効果的だと思っていましたが、運動が脳に良いというのは意外な対処法です。
なぜって、持久力を上げたければ持久系のトレーニングをする。筋力を上げたければ筋トレをする。というように能力を上げたい部分に直接アプローチするのが効果的な方法なので、ということは脳に関しては・・・・脳トレ?こんな発想にいきがちです。
「運動」という一見間接的な方法と思われる方法が脳に良いというのは、正直ピンとこないのですが、この本ではデータの裏付けがされているので、やる価値はあるかなと思います。
もし、運動が本当に正解ならば、あれだけ流行した脳トレっていったい・・・・?
ではでは。