「税務署はやっぱり見ている。そして税務署は副業も見ている。」
ちょっとドキッとするワードです。
サラリーマンであれば、勝手に給与から税金が引かれるので、そこは問題ないのですが、副業や相続で収入が入るケースでは、「納税」というものがでてきます。
この本の作者さんは、元税務署職員の方で、そして「適切な納税」をお勧めしています。
「税務署はやっぱり見ている」のだそうです。
脱税や申告漏れなど、納税についてのニュースを目にする機会は、本当に多いのですが、そもそも税務署の方は、そんな情報をどうやって知ることができるのでしょうか?
税務署のリアルを見ることができる一冊です。
目次
第0章 そして、今日も税務署は……
第1章 調査案件はこうして選ばれる
第2章 税務署は突然やって来る?
第3章 調査官はランチ中も見ている
第4章 税務署は税理士も見ている
第5章 「調査官目線」の活かし方
この本の内容拾い読み
確定申告は受け付けるだけ?
確定申告の書類を出し切ったら、これで大丈夫!
と思っている方もいるかと思いますが、そんなことはなくて
「確定申告の時期は、申告書は受け付けるだけで、内容のチェックは後日行われる」
のだそうです。確かにそんなすぐに、内容が適正かどうかなんて、わかるはずがないですもんね。
2004年から導入された、e-taxという電子的な申告があるのですが、医療費控除の申請などでは、領収書の現物が添付できないので、「内容の確認はいつするのだろう?」と思ってしまうのですが、答えは「いつ内容の確認をするときがくるかわからないけれど、そのときが来たら確認するので、そのときまで整理して保管しておいてね」なのだそうです。
気分的には、書類を出し切ったらそれで全部終了!と言って欲しいのですが、仕方ないですね。
副業で小額の稼ぎなら税務調査なんてやってこない?
「ウーバーのような、デリバリーの副業には、税務調査なんか入んないでしょ?」
私もそんな気がしていたのいですが、確実に税を取れるのであれば、税務調査を受ける可能性はあるのだそうです。
確定申告の目安は、年間所得が20万円を超えるかどうかです。
ウーバーのような、デリバリーの副業だと、少し頑張れば簡単に超えてしまいそうです。
なので、売り上げを上げるために使ったお金は、経費として申告できる場合があるので、領収書を取っておくことをお勧めしています。
本業よりも稼げてしまう副業は雑所得なのでしょうか?
税法上は事業所得の方が、雑所得よりも税金の面では有利で、制度上は収入額などによって、雑所得と事業所得をどう分けるかのルールが定められているそうですが、この本の作者さんは、「副業を所得税法で定義できるものではない」と考えているようです。
税務署に開業届を出して、誰がなんと言おうが信念を持って、たとえこの事業が副業よりも稼げなくても「これが本業だ!」と言い切れるのであれば、事業所得にしてしまっていいのでは?とのこと。
税金は取る方も取られる方も大変です。
終わりに
税金はサラリーマンであれば勝手に給与から引かれるので、サラリーマンであれば正直あまり気にならないのですが、コロナ禍で一気にメジャーになった副業については、昔と違って最近は副業OKの企業が増えてきたいま、個人で税金と向き合うケースが増えてきました。
この本で税務調査のリアルがたくさん出てきます。
税務署の方の税務調査のきっかけや、感情のうごきなど、普段知らない世界なので興味深かったです。
税金は正しく納めたいものです。
ではでは。