【経済の始まりから現在へ】父が娘に語る経済の話。

父が娘に語る経済の話。を読んでみました。

この本ってどんな本?

こんな方におすすめの本です。

・わかりやすく経済の成り立ちの歴史を知りたい方
・お金の数字だけが動く、今の金融の仕組みを知りたい方
・未来の経済を考えるヒントが欲しい方

ギリシャ財政危機の最中の2015年に財務大臣に就任した、経済学者のバルファキスさんが、娘に対して経済の成り立ちと仕組みを説明した内容になっています。

経済の始まりがどんなものだったのか?それによって格差が生まれて、現在の社会につながるといった経済の成り立ちの物語があったところで、一気に近代経済の話が始まります。

終盤ではビットコインの話題にまで、時代は進むのですが、現代経済で使われる中央銀行で管理される通貨と、ビットコインに代表される国や政府が管理できない金融資産が、入り混じる今の姿がわかりやすく説明されています。

読みながら考えることがいっぱいある。そんな本です。
娘に語りかけるような感じの文体で書かれていて、読みやすい本になっています。
経済の成り立ちと、今を知る内容で面白い本でした。

読みやすさのイメージ

250ページくらいの分量で、
2〜3日くらいで読み終わると思います。

翻訳本ではあるのですが、読みやすい文章になっています。
また、作者のバルファキスさんが難しい経済用語を使わないで、この本を書くことをテーマとされているので、経済用語の基礎知識が無くても、問題なく読み進められます。

この本のポイントなどなど

農耕の始まりが経済の始まり

経済ってどこから始まったんでしょうか?諸説あると思うのですが、私なんかが今までイメージしていたものは、人類は物々交換で欲しいものを手に入れていたのだけど、その方式では、肉や魚などの生鮮が腐ったりしてしまうので、価値を証明するものを作って、それで取引をするようになった。です。

さらにその価値を証明するものが、金や銀などの、そのものが単体で価値があるものを使っていたのが、重いし管理が大変なので、その価値を誰かが証明する紙幣などが生まれた。こんな感じなのですが・・・

この理屈、若干腑に落ちていないところがあって、価値を証明するものがそんな簡単に作れたのか?です。必要な進化だったとは思うのですが、いきなりそんな人が登場します?

この本では答えの一つが書かれていて、農耕が発明されて、必ず食べ切れる量を狙って生産することはできないので、豊作の時には作物の余剰が生まれて、その余剰を記録することで量がわかり、よく昔のお金として紹介されがちな貝殻などは、記録の証明をするための証書がわりの働きをしていたという説です。

農耕が生まれて、余剰が生まれなければ、経済は発展しなかった。
この理論は、イメージしやすいなと思いました。

ビットコインが危うい理由

ビットコインが危うい理由についても書かれていて、私がビットコインについてイメージしていた危うい理由は、国などの法律とかで管理されていない金融資産なので、持ち逃げできるんじゃないの?だったのですが、

著者の考えるもっとも危ういポイントとして、価値が乱高下する際に、通貨の数量調整ができないことと語っています。

通常の各通貨は、通貨を管理する中央銀行が、市況をみながらマネーの量を調節することで、急激なインフレやデフレが起きないようにしているのが、中央銀行の機能の一つなので、この点についての安定感はあります。

それに対して、誰も関与できない透明性の高さが、ブロックチェーンの技術で、その技術で管理されているビットコインに代表されるような仮想通貨では、価値の乱高下が激しくなると、そのままの流れに身を任せるしかないのが、最大の問題点だとしています。

確かに、ビットコインの乱高下は凄まじいですからね。今後も安定した金融資産には使えなさそうです。損してもOKレベルのギャンブルとして所有するのは、面白そうですが・・・・

経済を学ぶ一冊としておすすめです

経済関係の本や、経済史、会計史についての本も読みましたが、経済の大きな流れをつかむための一冊としては、おすすめの本です。この一冊で経済関係の知識は全て学べるわけではありませんが、今まで理解していた経済関係の知識が、色々とつながる感覚になりました。本当にわかりやすいんだと思います。

面白かったです。ではでは。

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