「池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々」を読んでみました。
この本ってどんな本?
こんな方におすすめの本です。
・ロシアと接する国々の現在と歴史を知りたい方
・ロシアと接する国々の空気感を知りたい方
・ロシアと接する国々のわかりやすく知りたい方
「ロシアと接する国は全部でどれだけあります?」この質問をされたら私は完全にお手上げです。最近はロシア報道で、いくつかを知ることができていますが、そこだけを切り取っても全体像が見えないなと思い、この本を読んでみました。
この本は、ロシアに接する国々を、ほぼ全て1冊にまとめて取り扱った本で、全体のイメージが掴みやすくなっています。この池上彰の世界の見方シリーズを読まれた方は、わかると思いますが、高校生に対しての授業を行う形式で、とにかくわかりやすいのが特徴で、今回もわかりやすい内容でした。
日本の報道だけを見ていると意外に見落とされがちな、ロシアと中東方面に接する国についても扱っていて、この本で新たに知ることのできる情報は多いのでは?このシリーズのファンだということもありますが、オススメです。今読むべき本かなと思います。
読みやすさのイメージ
200ページ強ぐらいの分量で、
4〜5日はかかるかと思います。
池上彰の世界の見方シリーズは、スラスラと読みやすく2〜3日くらいで読み終わるのですが、今回は情報量が多いので、このシリーズに慣れている方でも4〜5日は見ておいた方が良いかと思います。
この本のポイントなどなど
旧ソ連の国は多い
旧ソ連の国で独立した国は多いです。この本の序盤に、今の世界地図に旧ソ連の範囲を示したものが掲載されていますが、これを全部答えるのは正直難しいです。特に南側!本当に多い。
当時のソ連は相当な面積を占めていたことを、今回改めて知ったのですが、当時のソ連が南に面していた国は中国、カザフスタン、イランになり、今のロシアとはかなり見え方が違います。カスピ海はほぼソ連のものといったような感じです。南はインドが視野に入っていたんだろうなと思います。
改めて、この本の序盤の、今の世界地図に旧ソ連の範囲を示した地図は、本当に見やすいです。ソ連は大きい連邦国だったということを再認識しました。
緩衝地帯が欲しい
ロシアの理想の一つは、
「敵対する国と直接接しないように緩衝地帯となる国が欲しい。」
これだけ大きな国なので当然国境線が長く、南側と西側は多くの国が接しています。ロシアが緩衝地帯を強く求める理由は、統治者の問題も含めて、本書に書かれていますので、詳しくはそちらを参照いただきたいのですが、国境の管理だけでも、相当なエネルギーを使うのは想像がつきます。
この国境管理に使うエネルギーを抑えるには、緩衝地帯となる国が欲しくなるんだろうなと、地図を眺めていると感じます。海に囲まれた日本とは感覚が違ってきます。
ロシアの周辺国との歴史
ロシアの周辺国とロシアや旧ソ連の歴史は、根深いものがあるということが、この本で書かれています。本の構成上として悲惨な歴史を紹介している。ということもありますが、それにしても悲惨な内容でした。
この周辺国とロシアや旧ソ連の歴史は、時間が解決してくれるといった、生やさしい内容では無いものが多く、簡単に仲良くとは、今後もならないんだろうなと感じました。領土が地続きで接することの、難しさを再認識しました。
旧ソ連から現在のロシア、その周辺国の基礎知識を知るのには、良い本だなと思います。この本を読むとニュースで報道される内容の見え方が変わると思います。
あいあわらずこのシリーズは分かりやすくて、読んでよかったです。
おすすめです。ではでは。