世界史を学びたい!
世界史の本はいろんな切り口の本が巷にあふれていますが、「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」シリーズは、本当にわかりやすい歴史本のシリーズです。
その中で今回は「宗教編」です。
の本は歴史上の有名な宗教を取り上げて、それらの宗教がどんな歴史を経てきたのかをストーリーで説明してある本です。
世界史の本で、宗教目線で世界史を語る本はそう多くはありません。
この本を読むと、頭の中の世界史の知識が埋まって繋がっていく感覚が味わえると思います。結構快感です。この本を読むと世界史の断片的な知識がガッシガッシ組み上がる感じです。
日本人と宗教の距離感というのは、世界的に見て遠いのだそうで、宗教が世界史に影響を与えるという話は日本人にはピンとこないのですが、その認識はこの一冊でガラッと変わります。
「宗教から見た世界史」読む価値ありです。
目次
第1章_宗教の起源・古代の宗教
第2章_ゾロアスター教
第3章_ユダヤ教
第4章_キリスト教
第5章_マニ教
第6章_イスラーム
第7章_ヒンドゥー教
第8章_ジャイナ教
第9章_仏教
第10章_シク教
第11章_儒教
第12章_道教
第13章_神道
この本の内容拾い読み
宗教の出発点?ゾロアスター教
ゾロアスター教。聞いたことはありますが、ゾロアスター教の人に会ったこともなければ、メディアで見たこともない。
なぜなら、ゾロアスター教の現在の信者数は10万人強という少なさです。世界の人口が80億人を超える現代においては、ゾロアスター教の信者数は全世界の0.01%ぐらいといったところでしょうか。
宗教の出発点との見方もされるほどの歴史ある宗教で、始まりは起源前16〜6世紀くらい。
日本人にとって特徴的なのは、「鳥葬」を行うことで、日本人にはなかなか馴染めない風習です。
そしてこの宗教は、歴史があることからいろいろな宗教に影響を与えている宗教で、
・大乗仏教←「救世主」の存在、死生観、倫理観
・マニ教←善と悪の二元論
・ユダヤ教、キリスト教←一神教の考え方、救世主の存在
こんな感じで、現在の世界の主要宗教に影響を与えているのだそうです。
現代宗教の起源のような宗教のようです。
神道は日本固有の民族宗教
日本人なら身近な宗教「神道」
文化庁の発表によると9000万人が現在の神道の信者数とのことで、日本人の大半が神道の信者ということになるのですが、いまいちピンとこないというのが正直なところです。
鳥居があるところには、基本的に神社があるので、日本中に神社があるということについては間違いないのですが・・・・
神道の起源は特定できていなくて、歴史がクリアになってくるのが「古事記」「日本書紀」の物語で、ここで天皇との結びつきが明確になってきます。
この神道も太平洋戦争が終わり、GHQにより神道が軍国主義を進めたとして、神社と国家の分離が図られて、以後、全国の神社が宗教法人として存続することになります。
全国の神社取りまとめの組織として、神社本庁というものが設立されていて、現在8万社近くの神社が神社本庁に加盟しているのだとか。
国際比較調査グループの調査では、特定の宗教を信仰している日本人の比率は約4割程度とのことで、外国の方から見ると信仰心の薄い国に見えるそうです。
ぱっと見の信仰心は薄くても、神社に観光に行ったり、パワースポットに行ったり、正月は初詣に行き、おみくじを引き・・・・と自然な信仰心が支えている宗教と言えそうです。
終わりに
日本人にとって「宗教」というものが、非常にデリケートで気軽にさわれないものというイメージがあり、なかなか宗教目線で、歴史を見た本というのは極端に少ないと思います。
ただ世界史を見ると宗教の視点がないと、なかなか不可解な行動に見える出来事が多いのも事実です。
この本は、学生時代に世界史をある程度学んだ人、大人になって歴史を学びたいと色々な本を読んでいる人にオススメの一冊です。
ではでは。