【フェルミ推定の技術】材料が少なくても推定していく技術

フェルミ推定=未知の数字を常識・知識を基にロジックで計算すること。

仕事をしていると答えのわからない推定をしなければいけないケースはたくさんあります。ェルミ推定とは、結局、答えのないゲームを推定して、答えと思われる数値に近づける作業になります。

この本は、推定をしていく上で、答えが無いなりにも答えの精度を上げていく技術を解説したものとなっています。ロジックの技術本なのですが、書き口がくだけた感じで書かれているので、技術本とは思えない雰囲気の本になっています。

フェルミ推定という技術に興味がある方はぜひ。

 

この本のざっくりポイント

ざっくり推定内容を分解していく

この本で扱われている例題で、マッサージチェアーの市場規模というものがあります。その推定のプロセスを少し紹介。

マッサージチェアーの年間の市場規模
=(旅館などのマッサージチェアーを保有する施設の数)
x(マッサージチェアーの単価)

うーん、これではまともに推測できている気がしない。ちなみに本書ではこの現象を、「気持ち悪い」と表現しています。「気持ち悪い」ので分解していきます。

マッサージチェアーの年間の市場規模
=(旅館などのマッサージチェアーを保有する施設の数)
÷(耐用年数)
x(マッサージチェアーの単価)

さっきよりは÷(耐用年数)がある分、さっきよりはいいけれど、これでも推定できるとは思えない・・・なので、さらに進化させてみます。

マッサージチェアーの年間の市場規模
=(旅館などのマッサージチェアーを保有する施設の数)
x(1施設にあるマッサージチェアーの数)
÷(耐用年数)
x(マッサージチェアーの単価)

これなら、x(1施設にあるマッサージチェアーの数)が加わることで、最初と比べるとはるかに精度の高い推定ができそうです。これは分解のほんの入り口レベルで、さらにより高い推測をするためのテクニックが本書に書かれています。

 

プレゼンは結論から話そう

フェルミ推定は、どこまで行っても推定ではあるので、フェルミ推定の場合はプレゼンでは結論から話すのはとても大事なのだそうです。

正解の答えを押し付けたいわけではないので、推定を聞いた相手が「本当か?」と思ってそこから議論に発展していくかが重要とのこと。

フェルミ推定のプレゼンの中で、「おおよそ」「約」は使わないことを勧めています。
フェルミは推定作業なので、どこまで行っても答えではないものに、「おおよそ」「約」をつけてしまうと、説明相手にこの答えがなんとなく合っている。といった印象を植え付けてしまう恐れがあるのだとか。

 

おわりに

フェルミ推定。気になっていたワードだったのですが、面白い技術でした。

実際の仕事で推定や推測しなければいけないケースは無数にあります。このフェルミ推定の技術を使うと、最後は勘の部分が根底にはあるのだけれど、なんとなくいままで頭の中でやっていた推測や推定の作業の過程が、明確になった気がしました。

過程や手順が明確になっていくと、ばらつきが少なくなっていくので、そういう意味でも働く人にはおすすめの技術だなと感じます。

この本、巻末付近に大量の例題があります。この本を完全に味わい尽くすには数週間はかかりますが、これをご縁にじっくり取り組んでみるのもいいかなと思います。

ではでは。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA