日本製鉄ってどんな会社?
ざっくりいうと、「鉄鉱石から鉄を作る会社」になるのですが、そもそも鉄は建築建材や橋などのインフラ設備、車のパーツなどなど生活の隅々に「鉄」は存在しているのですが、鉄そのものを作る製鉄会社は、一般市民には身近な存在ではありません。
そして、日本製鉄という社名。
昔からあったような、なかったような社名なのですが、この会社は合併を経て社名変更を行い、2019年に「日本製鉄」という社名になったということで、社名だけは新しい会社になります。
間違いなく日本最大の製鉄会社で、
連結従業員は11万人、
売り上げ高に相当する売り上げ収益は8兆円、
事業利益は1兆円。
全国の製鉄所の面積を足し合わせると、東京ドーム1715個分。
何もかもマンモス級の規模になります。
(東京ドーム一個分は、約210mx210mの正方形と同等で、東京ドーム1715個分となると9km x 9kmの正方形と同等。)
そもそも製鉄会社の仕事の中身とは?
この巨大企業を束ねる社長とはどんな人?
日本最大の製鉄会社の世界での立ち位置は?
「日本製鉄を丸ごと」知る一冊です。
目次
第1章_自己否定から始まった改革 5つの高炉削減。32ライン休止の衝撃。
第2章_「値上げなくして供給なし」大口顧客と決死の価格交渉。
第3章_異例のスピード決断。インドで過去最大M&A。
第4章_動き出すグローバル3.0「鉄は国家なり」の請負人に。
第5章_国内に巨額投資の覚悟。高級鋼で勝ち抜く「方程式」。
第6章_脱炭素の「悪玉」論を払拭せよ。鉄づくりを抜本改革。
第7章_「高炉を止めるな!」八幡の防人が挑む改革後の難題。
第8章_原料戦線異常あり。資源会社に巨額出資。
第9章_橋本英二という男。野生と理性の間に。
この本の内容拾い読み
日本製鉄の成り立ち
Brennan EmersonによるPixabayからの画像
日本製鉄は2019年に合併を進めて社名変更し、現在の会社になるのですが、正直、2019年は新しすぎて元の会社がどんなんだっけ?と気になります。
日本製鋼←①新日鉄住金+②日新製鋼ホールディングス
①新日鉄住金←③新日本製鉄+④住友金属工業
②日新製鋼ホールディングス←⑤日本金属工業+⑥日新製鋼
③新日本製鉄←⑦八幡製鐵+⑧富士製鉄
④住友金属工業←⑨新扶桑金属工業(社名変更)
こんな変遷を経て、現在の日本製鉄になっています。
特に、①新日鉄住金と②日新製鋼ホールディングスについては、2012年にできた会社で、世界規模の製鉄会社や、中国メーカーの脅威を受けての合併だったとのこと。
製鉄会社というのは、規模が大事なんだなということを感じます。
使うところで作らないと合わない?
2021年に日本製鉄では改革案が示されます。
呉地区の全面閉鎖や各地区の高炉などの設備休廃止などで、従業員を20%以上削減するプランです。
連結従業員は11万人の規模の会社で、従業員20%以上削減という凄まじい計画で、削減だけではなく、海外の製鉄会社の買収などを進めていて、インドでは共同買収という形で1兆円の出資、アメリカでは2兆円の買収、タイやスウェーデンでも投資を進めているとのことで。
日本で一括で作って、海外に運べば良いのでは?と思うのですが、実際には使うところで作ることが、効率の面では重要な産業なんだなと感じます。
そんな改革を進めている日本製鉄の規模はというと、2022年の粗鋼生産ランキングでは、日本製鉄は世界4位で4400万トンの生産をしたそうです。
ちなみに、1位は中国の宝武鉄鋼集団で1億3200万トンの生産量で、上位10社中6社が中国企業とのことで、中国経済の大きさを感じます。
終わりに
普段から身の回りは、鉄であふれているのに、実際に鉄を作っているところはイメージのつかない世界です。
世界の上位プレーヤーになろうとすると、利益体質の向上も大事ですが、規模は本当に重要なんだなと感じます。
あなたの知らない製鋼の世界。この本を読むとリアルに感じられます。
ではでは。