古文の授業で聞いたけどよくわからない「方丈記」
有名なタイトルだけど、何を書いたかわからない「方丈記」
ゆく河の流れは絶えずして・・・・・「方丈記」
時代は平安時代、鴨長明さんが西暦1200年ごろに書き上げた「方丈記」
国語のテストで、作者と作品を繋げる問題で方丈記が出るくらい有名な作品なのですが、鴨長明が一体何者で、方丈記は一体何を書いたものなのか?知らない人も多いのでは?
この本は方丈記を現代語に訳したものです。
この方丈記、古文の文法で書かれているので、すごい文学的な難しい内容かと思ってしまうのですが、書いてある内容が現代語訳になると、時代背景の違いはあっても、昔の人も今の人も考えることは同じなんだなって、そんな話なんです。
本の最後に、原文に現代漢字を当ててふりがなをつけたものが掲載されていて、原文と現代語訳の違いも比べながら読むことができますので、ガッツのある人はそちらに挑戦しても面白いかと。
原文を読むことを諦めた人でも、これなら読めます。
日本人なら「方丈記」一度読んでみては?
目次
1_新しい方丈記
2_コロナ禍に方丈記を読みながら考えたこと
3_方丈記原文
この本の内容拾い読み
鴨長明っていったいどんな人?
🆓 Use at your Ease 👌🏼によるPixabayからの画像
方丈記の作者、鴨長明は1155年に、当時、天皇や政治と深い関わりのあった下鴨神社の、神職の最高官位だった父の次男として生まれていて、現代でいえば、いいとこの家のボンボンで、しかも長男さんが早くに亡くなったことで、後継ぎとして期待される人生がスタートになります。
ところが、不運にも18歳のときに父が亡くり、後ろ盾の父がいなくなることで力が弱まり、その結果として一族の跡目争いに敗れ、没落の一途をたどり始めまることに・・・ボンボンが世間の荒波にポンと放り出されたイメージでしょうか?
ここで、鴨長明どうするかと思ったら、18歳の若者が選んだのは「隠居」鴨川のほとりに家を建てて住んだそうで、そこからさらに山奥に住み出して、そして出家までした上で、家は5畳程度の小さな小屋に住み、衣服は藤で自作するなどの自給自足生活を始めたそうです。
そんな山奥生活を続けて1212年の58歳で、この方丈記を書き上げて、4年後の62歳で亡くなったのだそうです。
どんどん落ちぶれて、やさぐれて・・・のようにも見えるのですが、方丈記を読むとそんなことはなくて、人生を謳歌した人のようにも見えてきます。
1000年前とあまり変わっていない?
方丈記の時代の平安の世の中は、火事、台風、飢饉、疫病、地震に翻弄されまくります。
現代の日本で、飢饉は考えにくいかもしれませんが、火事も疫病(インフルとかコロナとか)も地震も、方丈記が書かれてから1000年後の現代でも、悩まされる災害です。
建築技術や、医療技術が向上しているので、もちろん1000年前よりは良くなっていますが、それでも大規模な災害が起きてしまえば、方丈記に書かれた状況とあまり変わらなくなってしまうんだなと、1000年前の文章を読みながら思ってしまいます。
方丈記が時代を超えて読み継がれてきた文章で、国語の授業でも扱われる題材ですが、時代が進んで進化したとしても、災害との向き合い方は、方丈記の時代から変わらないということなのでしょうか?
現代語訳であったとしても、災害の多い日本に住む日本人なら、方丈記を一度は読んだ方がいいのでは?そんな気になります。
終わりに
方丈記は、災害など世の中に大きなダメージを受けると、読む人が増えるんだそうです。
いろんな天災や人災に巻き込まれまくった人の1000年前の文章に励まされる気持ちはわからなくもないです。最悪どうにかなるという気にもなります。
私は、「作者」と「タイトル」と「行く河の流れは・・・」の序文の一節しか知りませんでしたが、そんな人にはおすすめの本です。
ではでは