【アート 印象派限定】印象派という革命

「印象派という革命」を読んでみました。

この本ってどんな本?

印象派と呼ばれる西洋絵画の1ジャンル。そのジャンルを代表する画家の、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、モリゾ、カサットの生涯と、どのような作品を残し、どのように作品が変化していったのかを見ることができる本です。

100点を超える絵画のカラー写真が冒頭に掲載されており、印象派絵画の代表作をざっくり理解することができます。一般教養のレベルとしては充分な内容だと思います。

さらに当時の文化の中心地のフランスの絵画界がどのようなものだったのか?
印象派に至るまでにはどのような流れがあったのか?
印象派というものを広く知ることができる内容です。

この本をオススメしたい方は?

・印象派というものが、どう生まれたのかを知りたい方
・印象派の一般教養レベルを身につけたい方
・西洋絵画家のスタープレーヤーの、マネ、ルノワールを知りたい方

この本のポイントなどなど

印象派は一般常識なの?
西洋絵画ど素人の私が、よくわからない世界の一つ「印象派」です。
写実的な感じからは遠い絵柄で、
何が上手いのかもよくわからなくて、
なぜか日本では人気があるジャンルで、
印象派を代表する、モネ、ルノワールの名前は、世間では一般常識レベルとされていて、

うん。。。よくわからないが山積みです。

個人的に昔から好きな絵で「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」があるのですが、これも印象派だということを最近知りました。やはり日本においては印象派は一般常識なのでしょうか?

印象派は意外に最近のお話
西洋絵画がよくわからない理由の一つに、素人では歴史が分かりにくいというのがあります。
どういう流れで印象派が生まれたのか?

印象派を代表的する画家モネが活躍を始めるのが1850年代以降で、今から170年くらい前と意外に近年です。
日本では、江戸幕府が終盤に差し掛かる頃です。

有名絵画を調べてみると、
レオナルドダヴィンチの「モナリザ」が1400年代後半くらいで、
ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」も同じく1400年代後半。
日本では、室町幕府の頃です。戦国時代にもなってません・・・

写真の存在だけでは説明が難しい
経済的に成り立たないと継続できないのは、今も昔も同じようなのですが、印象派以前の顧客は、教会が発注する宗教画、宮廷などの経済的に裕福な方々の肖像画だったのが、その後、民間人で財力を得たブルジョワジーと呼ばれる方々が、絵を購入するようになり裾野が広がったことで、描く題材が多様化したようです。

その中で西洋画の世界では印象派が生まれたようです。その前にもロココ主義や新古典主義、ロマン主義やバルビゾン派などの大きな流れがあったと、この本では紹介されています。
このあたりの時代の流れと、代表的な絵画も掲載されているのでイメージがつきやすくなっています。

印象派などの絵を取り上げて、写真が生まれたことによって、このような表現手法が生まれたと解説しているメディアもあるのですが、この本を読むと、それも理由の一つではあるのかもしれないけれど、表現の選択肢が広がったというのは、それだけでは無いということが分かります。

人間ドラマと当時の風潮が窺えます
この本は印象派を、数人の代表的な作家に絞り、生まれから印象派にたどり着くまでに、どういう絵に取り組んできたのか?なぜこのような題材を選んでいるのか?などが理解しやすい構成になっています。一冊の本に複数人の伝記が入っているイメージです。

印象派の絵と作家さんを読んでいくと、当時の身分階級とか、性別による行動の制限や、権威構造などなど、1800年前後の世俗史が窺うことができます。終盤で出てくるモリゾさんは女性の方なのですが、相当窮屈な思いをしたのだろうなと思います。

産業の発展が情報技術の発展に繋がり、1800年前後のイギリスやフランス、そしてアメリカでの西洋画家の方々はさぞ刺激的だったんだろうなと思います。そのあたりの空気感も感じられる内容となっています。

好きな西洋絵画が増えます
個人的に昔から好きな絵が「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」だったのですが、この本を読んで「ベルト・モリゾの肖像」も自分の中の好きな絵に加わりました。時代背景や人間ドラマをふまえた上で、絵をみると見え方が違ってくるなーとは感じました。

このモリゾさんについては、色々なお話で出てきますので、この本を読むのなら名前を覚えておくことをお勧めします。
私の好きな絵は、どの絵も買うことはできませんが、せめて印刷のレプリカなら・・・欲しいかなと思います。

この本を読むと、好きな西洋絵画の作品が増えるかと思います。

この本の読みやすさのイメージ

250ページ強くらいの内容です。
4〜5日程度で、読み終わると思います。

西洋絵画、印象派の基礎知識がほぼ無い状態だったので、読み切るのに時間がかかりました。
このあたりの素養がある方は、もっとスムーズに読み進められると思います。
印象派を知るのには、いい本だと思います。印象派についての基礎情報が学べた気がします。
ではでは。

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