「ニトリ」
「セイコーマート」
「ツルハ」
これらは北海道発の企業です。
北海道はビジネスを行う場所としては、他の都府県に比べて特殊な面が多いのだそうです。
広い面積による流通距離の長さ、人口密度の低さ、長い冬などなど、本州の企業が北海道に進出して、いざ始めてみたら勝手が違うことが多いのだとか。
ざっくりいうと、他の都府県に比べてビジネスを継続して行うのには、条件が悪すぎるといったところでしょうか。
この特殊といえるエリアで成功を収めた企業が、いったいどうやって成功を収めたのか?どういう考え方をしているのか?
この本は、それらの北海道で成功した企業を細かくレポートした内容になっています。
本州の企業は学ぶことが多そうです。
この本の内容拾い読み
となりのコンビニまで37km
北海道を代表するコンビニの「セイコーマート」場所によっては店同士が37km離れているエリアがあるのだそうで・・・・となりのコンビビまで37kmって信じられないくらい遠いです。
こんな長距離ということもあり、セイコーマートでは配送効率の向上が大きなテーマになっているとのこと。
具体的にはトラックで商品をコンビニに配送するだけではなく、コンビニで販売する商品の原材料を帰りのトラックに積むなどの方法で、配送コストを抑えているそうです。
簡単な話にも見えますが、うまく循環させるのには、相当のノウハウが必要そうです。これ、継続するのは相当難しいです。
ちなみに、この37kmというと、東京駅を中心とした都市エリアのケースを想定した場合では、この37kmの範囲に6000店舗のコンビニがあるそうです。
配送効率を上げるために、セブンイレブンなどの主要コンビニは、都市圏であっても隣接しがちなのに、隣の店まで37kmは驚異的です。
SPA(製造小売)のニトリ
家具や食器やカーテンなどなど、家の中のものを一通り揃えるのなら、真っ先に出てくる選択肢は「ニトリ」だと思いますが、ニトリはSPA(製造小売)の会社なのだそうです。
昔のニトリを知るものとしては、ニトリは家具屋さんのイメージだったのですが、多分、今の若者に聞くと家具屋さんとという認識ではないのかもしれません。
ニトリのプライベートブランドの比率は90%を超えて、粗利益は2022年に52.2%となったそうです。イオンやセブンアイなどのスーパーにもプライベートブランドが目につくようになってきましたが、90%は驚異の数字です。
食品というジャンルでは商品数が多くなるので、スーパーとの単純比較はできないですが、ニトリは元々が、商品を仕入れて売るというスタイルをとっていた企業ですので、90%の数字は驚異的な数字です。
粗利益の50%超えは、プライベートブランドならではと言いたいところですが、それにしても高い利益率です。商品価格は競合する商品の価格や、値ごろ感などから売価を決めているのでしょうが、競合する会社からすると驚異でしかないんだと思います。
少なくともニトリ相手に価格勝負を挑むのは厳しそうです。
終わりに
北海道のイメージは、広い、食べ物が美味しいなどの、ポジティブなイメージが多いと思いますが、少子高齢化に歯止めがかからずに、現在522万人の北海道の人口が、2045年には400万人にまで減少する予測がされているそうです。
人口減少スピードは47都道府県で最も早く、この状況でビジネスを発展させていっている色々な企業がこの本には書かれていますが、どの企業も次々と色々な打ち手を打っているなという印象を受けます。
北海道ビジネスの仕組みや打ち手を、まとめて読むことができる本です。
面白かったです。ではでは。