【ANA苦闘の1000日】コロナからの復活までの闘い

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コロナで社業に大ダメージを負った企業は多かったのですが、中でも強烈なダメージを負った業界の一つ「航空業界」

少し昔の話になったので、記憶が曖昧になっている方もいるかと思いますが、コロナが蔓延し始めた頃は、「航空機に乗って移動するなんて、ありえない。感染したらどうするの?」

航空業界は当たり前なのですが、お客さんや荷物を運ばないことには、商売が成り立ちません。

その中で、ANAは色々な方法で生き残りの策を打ち続けていき、現在のコロナとの向き合い方が確立されつつつある現在にたどりつくのですが、その闘いの様子が描かれた内容になっています。

完全に想定外の事業の根幹を揺るがすような現象が起きたとしても、決してゲームオーバーではないということを学ぶことができます。

 

この本の内容拾い読み

コストカット

航空回数の圧縮

国内線の航空機を一回飛ばすたびに100万単位の費用がかかるのだそうです。搭乗者が少ないと赤字を垂れ流しながらとなるので、ここを圧縮。

ただこれまで、国内線を経済面から圧縮した経験はなかったそうなので、状況が状況とはいえ苦渋の判断だったようで、さらに、国民の利便性を損なわないように、監督官庁の国土交通省との折衝などもあったようです。

使用機材の小型化

基本的に機体が小さければ、一回の航空にかかる燃料費を圧縮できます。そのためにローカル路線で使用していた小型機を、羽田ー千歳のようなメジャー路線に投入することで、費用の圧縮。

ANAのプロペラ機などもフル回転をしたようです。羽田を利用する方にはイメージが湧かないと思いますが、地方空港間を飛ぶ飛行機にはプロペラ機も使用されていて、私も昔ですが広島ー高知便はプロペラ機だった思い出があります。

人件費の圧縮

人件費の圧縮。ここが経営側としては辛いところだったようですが、労働日数を減らして働いていない間は無給にする、賞与カットなどにも着手したようです。無給については一部を国の助成金を使いながらある程度は補填する形で進めていたようです。

安全な移動手段を供給する使命がある会社なので、整備や運行に関わる人を減らすのは難しいようです。運行には色々なセクションの人がいるわけで、とある運行の安全に欠かせないパートを0人にすることはできないということなのだようです。

 

この他にもこのコストカットには大小含めて色々の施策、そこまでのドラマが描かれています。詳しくは本書で。

 

終わりに

コストカットと並行しながら、機体の売却や、機内食の販売、外部企業への出向、荷物の運搬、オンラインイベント、ドローンへの着手などなど、コロナが無ければ行われなかったであろう取り組みが、たくさん書かれています。

この手の話は、アイデアとしては出てくるものの、実際に始めるのは難しいことばかりだったと思いますが、コロナの影響で次々と実施せざるを得ない状況になったというのは、多様化という面を見ればプラスだったようにも見えます。

実際に一般の企業でも、現在のデバイスやアプリなどを動員して成立してしまったテレワークのように、以前から可能ではあったけれど、実施するにはオペレーションの変更であったり、人の感情的な部分であったりなどと、実施するには腰が重かったことも、このコロナで一気に進んだように思います。

普通の感覚であれば、航空業界とコロナ初期の世間の対応の組み合わせは最悪で、ゲームオーバーを宣言してもおかしくない状況です。

大胆な動きをせざるを得なかったとはいえ、ANAの動きは参考になります。

面白かったです。

ではでは。

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