「オートモードで月に1当期純利益÷発行済株式総数8.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!」を読んでみました。
この本ってどんな本?
日本株の高配当株投資の手法を紹介する本で、筆者が実際に株の暴落等で、株式市場で痛い目にあってから、日本株の高配当投資に行き着いた過程を説明しながら、実際にどのように始めればいいのか、どのように成長させていけばいいのかを、具体的な銘柄の紹介もしながら解説してある内容となっています。
最近流行のインデックス投資や、ビットコインやFXなどの高リスク運用には触れずに、日本の高配当株投資で手堅く配当金を受け取っていくことのみに注力した本です。
この本をオススメしたい方は?
・日本株の高配当投資に興味がある方
・配当金をキャッシュで受け取る投資で、資産を増やしたい方
・米国や全世界インデックス以外の投資を検討している方
この本のざっくり紹介
|日本の高配当株と米国インデックス|
興味はあるのですが、投資初心者の部類の私には敷居が高かった、日本株の高配当投資なのですが、この本は、これならなんとかやれそうと思える内容でした。
私は積み立てNISAなどを使って、米国や全世界のインデックスの投資信託を、少額ながらも実際に行なっているのですが、この米国や全世界のインデックスは、長期目線で資産を増やすのには多分ベストの回答なのだと思うのですが、配当が自動で再投資されるタイプの投資信託の場合(楽天全米株式インデックスやSP500連動型のe-maxis slimなど)は、投資中は預金残高が増えないので、インデックス投資信託の一本槍も少し考えものかな?と思っていました。
|手元の現金が増える投資|
以前から日本の高配当株投資には興味がありました。現在、投資中のインデックスの投資信託は、手元の現金が増えないので(もちろん売却すれば増えるのですが)、私の年齢と総資産のバランスの問題もあり、手元の現金が増えるタイプの投資は無いかなと考えていました。
実際に積み立てNISAは20年の運用期間があるので、その期間の売却は考えにくいし、NISAで無い場合の投資信託であったとしても売却するタイミングは、4%ルールとかを言われても、なかなか難しい。
であれば、配当金を得るタイプの投資として、米国インデックスETFがあるので、これを試してみるかな?とも思ったのですが、そうした場合は、現状のポートフォリオが、ほぼ米国頼みの投資になってしまうし、為替の影響も気にする必要があるし・・・ということで、米国インデックスETFも、私の中でピンときていませんでした。
|日本の高配当株投資に踏み切れない理由|
日本の高配当株投資ができるのであれば、今の私の中ではベストなのですが、真剣に考えられなかった一番の理由として、銘柄選択のやり方が分からない。ただ、適当には買いたくない。です。
リスク管理の意味から、数十の銘柄に分散する必要があるのですが、銘柄選択ができないのに、さらに数十銘柄も選ぶ行為が、私の中で現実的ではないというのが理由です。
|日本の高配当株の選び方|
この本は銘柄選びを12箇条に絞って紹介しています。しかも、使う指標は3つというシンプルさです。
◆3つの指標
1・配当利回り(一年間の配当リターンが、投資額の何%になるか表したもの)
2・1株利益、EPS(一年間にその会社がいくら稼いでいるのか、一株あたりで表したもの)
3・株価収益率、PER(株価が一年間の利益の何倍になっているか表したもの)
1は、証券会社のサイトに実際の数値が出ています。
→式は当期純利益÷発行済株式総数配当利回り(%)=1株当たりの配当金÷株価x100
2は、証券会社のサイトに実際の数値が出ています。当期純利益÷発行済株式総数
3は、PER=株価÷1株利益(EPSのこと)
→一般的に15倍程度が適正で、10倍以下は割安で、20倍以上は割高。
◆本書の12箇条のうち、私がチェックできそうだなと思ったポイント
1_過去5年減配が無いこと。(できれば2008年のリーマン時のチェックも)
2_過去5年のEPSが安定しているか。(増加傾向であればビジネスは順調)
3_PERが15倍程度(15は全業種の平均で、各業種で水準は異なる)
→PERは自分で5年分EPSの平均を出して、現在の株価で計算できればベスト。
4_長期保有を前提にするのなら、業界NO1企業に投資する。
なんか、これならできそうな気がします。
12箇条の残りは、是非、本書で確認ください。
|筆者の参考銘柄|
この本でありがたいのは、この本の内容をふまえて、筆者の長期保有したい銘柄紹介がされている点です。
チェックポイントは分かったけれども、とっかかりも何もないのは・・・・ということで、INPEX、JT、花王、アステラス製薬、大塚ホールディングス、ブリヂストン、コマツ、クボタ、伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、日本取引所グループ、東京海上ホールディングス、NTT、KDD Iなどが紹介されています。
これらを軸に日本の高配当株投資を考えたいな。と思える内容でした。
ページ数と読みやすさのイメージ
250ページくらいの内容です。
読みやすい内容で、2〜3日程度で、読み終えることができると思います。
投資関係の本は極端に難しい内容の本も多いですが、日本株の高配当投資一本に絞って、それをシンプルに伝えてくれている本だなと思いました。かなり読みやすいです。
個人としては、米国や全世界のインデックス投資のみで運用しているのですが、高配当株投資を検討してみようかなと思える内容でした。面白かったです。ではでは。