DX=デジタルトランスフォーメーション
近年よく耳にする言葉になりました。
そしてこれからの会社はDXが必須と言われるようになってきましたが・・・
DXって具体的には何をするの?
技術者はどうするの?
何から始めたらいいの?
この本は、こんな感じの初心者クラスに向けた解説書です。
まずは小さく始めたいと考えている方にもおすすめの本です。
この本ってどんな本?
全200ページ強の内容となっています。
2〜3日で読み終わるかと思います。
全8章からの構成で、そもそもDXとは何か、人材はどうするのか、それをどう業務に結びつけていくのかと順を追って解説しています。
DXって何?
このDXという概念は、2004年にスウェーデンの大学教授が提唱したのがはじまりなのだそうです。国内では2018年に経済産業省がDXの定義を発表しています。
経済産業省の考えるDXの定義
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
経済産業省のイメージとしては、とりあえず、何か単発で始めたとしても、継続して変革させていく必要がありそうです。
DXが目指すものとは?
この本では、デジタルの最大のメリットは、ペーパレスでもコストダウンでもなく、「限界費用がゼロ」なのだそうです。
限界費用ゼロとはモノを一個作ったら、追加費用が発生するのが普通なのですが、とあるシステムを導入した場合、100件の処理をしようが、1000件の処理をしようが、費用は変わらない。こんな状態を指すのだそうです。
DXの注意事項
この本で、DXを進めていこうとした場合に注意しなければならないこととして、外部の業者(ベンダー)への丸投げはおすすめしていません。
企業の知見のストックが出来ずに、ベンダーからの依存状態から抜け出せないのが理由なのだとか、素人であったとしても、信頼できる人材に学んでもらうことが大事なのだとか。
ベンダー依存にならずに、ベンダーとは適切な距離感を維持するための方法が書かれています。
電子帳簿保存法の改正
DXの導入のきっかけとして、この電子帳簿保存法の改正がきっかけになっている会社もあるかと思いますが、この法改正によって電磁的にデータを保存する必要が出てきていて、電磁データにするために、ペーパーでやってきた会社であっても、この改正のために各社員もデータ入力などをしていく流れになっているそうです。
「パソコンは苦手、プリントアウトした書類に印鑑を押す」こんなのが大好きなオジサンが抵抗勢力になりそうですが、この電子帳簿保存法の改正の法律改正を盾にDX化に舵を切ることを、この本ではおすすめしています。
少し深読み
DXって何をすればいいの?すごいことをしないと乗り遅れるのでは?と具体性の無い恐怖を感じていたのですが、この本を読んで少しスッキリしました。
DX化を進めるためには、誰かが頑張るだけでは成り立たないんだなと、改めて感じました。
ちなみにこの本の著者はNIコンサルティングという会社の代表の方なのですが、この会社で提供しているサービスで「NIコラボ360」という業務管理ツールがあって、このツールの画面がこの本にもちょこちょこ出てきます。
私が勤めている会社では、このツールを導入しているのですが、この本でも提唱しているように、社員全員がちゃんと取り組まないとツールの効果が弱まるというのは実感しています。
ツールを入れるだけでは、何も変わりません。明日から一気にDX!こんなことは無理で、地道な積み重ねが重要付だということを改めて感じました。
DXのはじめの一歩に、おすすめの本です。
ではでは。