【おじさん達の見えない壁】おっさんの掟 「大阪のおばちゃん」が見た日本ラグビー協会「失敗の本質」

「おっさんの掟 「大阪のおばちゃん」が見た日本ラグビー協会「失敗の本質」」を読んでみました。

この本ってどんな本?

日本ラグビーフットボール協会の理事だった著者が、協会内部で、おっさんの壁に挑んだ、約2年間の記録です。バリバリの男社会で縦社会のラグビー協会の内部事情や、今年から始まったラグビー新リーグがどのように進められていったのか?このあたりの事情が見えてくる内容となっています。

この本をオススメしたい方は?

・ラグビー協会の内部事情に興味がある方
・男社会で縦社会の組織の雰囲気を知りたい方
・ラグビーのファンの方

この本のポイントなどなど

谷口さんお疲れ様でした
著者の谷口真由美さん。この方、サンデーモーニングのコメンテーターでたまにお見かけする方で、ラグビー好きの元気な方なんだなという認識だったのですが、子供の頃から、ほぼ花園ラグビー場に住んでいる状態で、ラグビーと共に過ごしてきたとは知りませんでした。ラグビーファンの私としては、良くも悪くも凄い環境ですね。の一言に尽きます。

谷口さんが日本ラグビー協会に入られたのは知っていたのですが、そこでおっさんの壁と戦う羽目になっているとは知りませんでした。女性比率を上げるために、そのシンボルの神輿としての側面が大きかったそうですが、双方の言い分はあると思いますが、少なくとも担がれた側の気持ちが辛くならないように、担いだ神輿は最後まで丁寧に担ぎなさいよとは、読んでいて思いました。

現在のラグビー協会の女性比率が40%を超えているとのことで、谷口さんの働きが無駄でなかったのかなと、少なくとも傍目には感じます。本当にお疲れ様でした。

体育会系の縦社会は強い
私は体育会系の縦社会で学生時代を過ごしたタイプで、勤め先もバリバリの縦社会の組織なので、この本を読んでいると、色々と思うことがたくさんありました。

私の体験としても体育会系の縦社会は、先輩やOBは絶対で意見を述べる時には細心の注意を払って、行事には根回しが大事で、情報をどのルートで、どの順番で入れるかの選択を間違わないように、どれか一つでも間違えると、地獄が待っている世界でした。

そんな環境で学生時代には鍛えられたものですが、実業団スポーツの流れを汲む組織で、70代80代のOBまでいるような組織で、しかも絆が強固なラグビーの世界。想像を絶します。この辺りの雰囲気も、この本で感じることができます。

地域密着型のラグビー新リーグ
ラグビーがただ好きな私でも、前々回と前回のワールドカップで生まれた盛り上がりを、大事にしないと廃れるのは早いよ。とは思っていたのですが、地域密着型の新リーグが、盛り上がりを維持する仕掛けの一つということは、この本を読んで初めて知りました。

地域密着型はJリーグから始まる、スポーツのプロ化の仕組みのトレンド一つだと思いますが、毎回思うのですが、この方法以外でプロチームを作るのは難しいのでしょうかね?ラグビーは企業チームとしての歴史が長く、現在もオーナー企業の影響が大きいので、この新リーグが地域に融合できるまで続いて欲しいなと思いました。

令和のおっさんの定義
この本の最後に、谷口さんが提唱する「令和のおっさん」が出てくるのですが、この部分は本書を見て頂ければと思いますが、なかなか面白かったです。ざっくりと表現すると「セコイ小者」っていう感じです。
こんな人、身の回りにも多くなってきました。こうはなりたくないなとも思います。

昔のタイプのおっさんで、たくさんいたタイプで、ワガママを撒き散らして、セクハラ発言上等で、働いているのか?と疑問符が出るような人で、ただ体を張るのだけは頑張る、そんなおっさんが懐かしいです。
令和のこの時代では、一発退場になりそうなのですが、今となれば、まだマシな気がします。

この本の読みやすさのイメージ

200ページ弱くらいの内容です。
1〜2日程度で、読み終わると思います。

リアルな内容で面白かったです。ご苦労されましたね以上の言葉が見つからないのですが、
これからのラグビー界が盛り上がって欲しいなと思います。
谷口さんの2年間が無駄で無かったと信じたいです。
ではでは。

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