「いま中国人は中国をこう見る」を読んでみました。
この本ってどんな本?
こんな方におすすめの本です。
・中国の方のリアルな国内の雰囲気を知りたい方
・日本メディアの中国の報道の様子を知りたい方
・中国は言論統制の怖い国のイメージがある方
中国という国のイメージが、国内の報道をざっくりまとめると「なんか怖い国。経済は発展しているけど、近づかない方が無難な国」こんな感じだと思うのですが、この本は実際の中国の一般的な方々にインタビューをしていった内容をまとめたものとなっています。
読むとわかりますが、「中国はなんか怖い国」の一言で片付けられるものではないです。イメージが結構変わると思います。
日本の報道番組がなんで同じような伝え方になるのか?情報のインプット方法を考えないとな。と考えさせられる内容でした。
中国共産党の情報統制や取り締まりの厳しさ、コロナ対策の厳格さ加減、教育について、若者のナショナリズムの高まり、意外に多い日本語を学ぶ学生、インターネット情報統制の現実などを、党の幹部や企業のトップ、またはよく映像として使われがちな農村地域の大声で怒鳴るように話をする人達以外の、一般的と思われる方々のインタビューで構成されています。
中国のイメージが変わると思います。興味深い内容でした。
読みやすさのイメージ
200ページ強ぐらいの分量で、
2〜3日はかかると思います。
インタビューが主体の本は、読みにくいことも多いのですが、この本は細かい章立てになっていることもあって、読みやすいなと思います。中国に興味のある方は、一気に読める方も多いかなと思います。
この本のポイントなどなど
コロナは厳格そのもの
中国のコロナ対策は、都市封鎖など日本では考えられない、強烈な手を打つなと思っていましたが、想像以上でした。
ゼロコロナ政策と呼ばれているそうですが、一度の感染が確認されると一気に広範囲を封鎖するとのこと。この本のインタビューの中に、見えない鎖で繋がれている、又、感染の恐れを避ける行動に対しての同調圧力がすごい、などの表現があります。
2020年のワクチンを打つ前の、緊急事態宣言下の日本をイメージして、それの強化バージョンが今も続くといった、イメージかなと思いました。統制されているからというのもありますが、本質的にはコロナを大きく恐れているのも大きいのかなと感じました。
ナショナリズム化が進む
この本の4章のナショナリズム化が進んでいる現状のレポートは興味深く読みました。
特に若者にその傾向が強いそうです。一番は自国に自信を持っているから。だそうですが、今回のコロナ対策の厳格化を実行できる国力ということも、よりその傾向に拍車をかけたとのこと。
この国内に目を向けて、外国に対してはイケイケのこの感じは、バブル期の日本を思い出します。これは歴史は繰り返すになっているのか?だとするのならば、この20年後は・・・興味深いなと思いました。
中国という国を知るために
今の中国を知るために読んだ本ですが、面白い本でした。
最後の章に、以前よりも暮らしぶりが良くなった中国に満足している人は多いが、中国の全員が覇権主義に賛同して、世界No1を望んでいるわけではないとのコメントがあるのですが、
中国についての報道を見ていると、社会主義的な発想の理解も弱いことも手伝って、ついつい全員がそんな感じになっている。と感じてしまうのですが、冷静に考えれば、色んな人がいるのだから、そんなわけはないはずです。そんな誤解も解ける本だなと感じました。
今の中国を知る本として、おすすめです。
ではでは。