ミステリー物が好きな本読みの皆さん。
ミステリーって圧倒的に近代ですよね。
海外ミステリーの有名どころでも、近代にカテゴライズされるものが大半なのですが、
この本、
日本の戦国時代を舞台としたミステリー小説なんです。
城と街を囲むタイプの城塞都市とでもいった感じの城で、籠城をしながら敵と対峙する城主が、主人公のお話になります。
籠城をしていく中で、いろいろな事件が起きます。
城主が、起きた事件の真実を解明していくのですが、決して一枚岩とは言えないような組織をまとめていく様は、戦国の世のリアルさを感じます。
あたりまえなのかもしれませんが
城主はふんぞり返ってだけはいられないんです。
部下は無条件で付いてこないんです。
城の中でも、城主は絶対安全では無いんです。
城塞都市の城のため、部下や民衆の心が離れることは、城の内部から崩壊する可能性があるため、事件の処理や対応を間違えることは致命的になります。
主人公の城主の目線で物語は進んでいくのですが、ミステリーとしての謎解きと、部下の掌握を並行して進める様子は、なかなかスリリングです。
さすが直木賞受賞作、あなどれません。
ではでは。