「一冊でわかるドイツ史」を読んでみました。
ドイツという国はどこから始まって、今のかたちになったのか。意外に説明できない「ドイツ」という国がわかる本です。
この本ってどんな本?
こんな方におすすめの本です
ドイツの歴史をざっくりと通しで知りたい方
ドイツの誕生のタイミングを知りたい方
近代ヨーロッパの複雑な同盟関係をドイツ目線で見たい方
ドイツの歴史。学校で世界史を学んでいると随所に登場する国ですが、イギリスやアメリカのように、その国を軸に回った時代があるわけでは無いのだけれど、世界史上の重要プレーヤーであることは間違いない。
でも、意外にドイツの国の成り立ちから追った本は、市販されている本はすごく少なくて、この本はその意味において、貴重な本です。
ドイツという国名が登場するのが、1815年と意外に近代です。島国に住む日本人にはいまいちピンとこないのですが、ヨーロッパの歴史あるあるで、領土の枠組みが結構変わります。強い支配者が登場すると、結構頻繁に変わります。
ようやく安定したのが、1815年のドイツの誕生となります。そこから第一次、第二次世界大戦を迎え、EUが誕生し現在に至るという流れなのですが、これを近代とするのならば、近代の目まぐるしさ、1815年に至るまでの動乱も凄まじいものがあります。
間違いなく現在のEUでの中心国のドイツ。その歴史を見ると現在のヨーロッパの状況が見えやすくなるかもしれません。珍しい貴重な本だと思います。
読みやすさのイメージ
200ページくらいの分量で
4〜5日ぐらいはかかるかと思います。
優しい書き口で読みやすいのですが、歴史が複雑すぎて、ヨーロッパの歴史の基礎知識が弱いと、理解するのに時間がかかります。私は4〜5日かかりましたが、この基礎知識レベルの違いで、読み切る日数は前後すると思います。
この本のポイントなどなど
昔からドイツではない
ヨーロッパの歴史を古くから知るうえで、島国に住む日本人に戸惑いがあるのが、「国の形と名前が今と違う」です。
ヨーロッパの古くからの歴史は、ゲルマン民族の大移動に始まり、フランク王国、ローマ帝国、神聖ローマ帝国、ナポレオンの大暴れなど、国の形が安定しません。
911年にドイツ王国が成立するそうなのですが、正式にドイツ連邦となるまでには、1815年まで待つことになります。
日本でも侵略・統治の歴史があり、領土の形が歴史を追うと違ってくるのは日本も同じですが、改めてヨーロッパはそのレベルでは無いことを感じました。
国と国の境界が地続きで、侵略や統治が海に囲まれた島国と比べて簡単だったのが要因の一つだと思いますが、日本人には理解がしづらい部分です。
複雑!同盟関係
ドイツ帝国が始まり、世の中の政情不安になってくる時代に入ると、侵略しやすい地域なので、各国で同盟の動きが出てくるのですが、これが複雑です。正直、世界史を学ぶ上で個人的に苦しめられた部分なのでが・・・
もー本当にややこしいです。1873年にドイツ、オーストリア、ロシアと3帝同盟から始まり、4年後に解消。そこからドイツ、オーストリア、イタリアの3国同盟、ドイツ、ロシアの再保証条約、これはその後破棄。
こんなのばっかりです。その後第一次世界大戦に突入。情報量が多すぎるのですが、この本ではドイツ目線で書かれているので、世界史の授業目線とは少し違うことから、この同盟情報の整理ができるかもしれません。
苦難の歴史
この本の最後は、先頃退任されたメルケル首相の話で終わるのですが、ここまでのドイツの歴史は苦難の歴史です。ここまで長い間、国際的に苦難の歴史を抱える国は珍しいと感じました。
第二次世界大戦とナチスドイツ、東西ドイツをめぐる周辺国の緊張状態。近代は特に凄まじいなと思います。
ドイツ目線で古い時代から歴史を見ると、ドイツの歴史は苦難の歴史だなと改めて感じます。詳しくは本書でチェックしてみてください。
この歴史を理解するのには、私にはもう少し勉強が必要だなと感じました。ではでは。