幕末の歴史は複雑すぎます。
ペリーが来航をきっかけに、ものすごく日本国内がガシャガシャしまくって、あっという間に徳川の世が終わり、明治に突入します。
日本の歴史を知ろうと思った時に、この時代が本当に頭に入らない。
西軍と東軍で関ヶ原!くらいはどうにかなるんですが、幕末はそうはいかない。
もちろんマンガも読んで、大河ドラマも観て、わかりやすい幕末・・的な本も読みました。
それでも複雑すぎて、よくわからないのが幕末。
なんせ、
敵と味方が入れ替わるし
キーマンが次々と増えていくし
何のために争っているのかがわからないような事件が多くて
暗殺祭りとでも言わんがばかりにキーマンが消えていきます。
そして、トドメはこれらの出来事が「なんで起きた?」「何でそうなった?」です。
この本はそれらの難しい幕末を一気に解決してくれます。
書かれたのは芸人さんで、かなりお笑いエンタメ調にストーリー仕立てで書かれているのですが、幕末のことをこんなに「なんで起きた?」「何でそうなった?」が理解できる本は初めてです。
日本の幕末の歴史を理解したい人にオススメの一冊です。
シンプルにクスクス笑えるエンタメ本としても楽しめます。
目次
第1章_長い鎖国が解かれ、日本が開かれるとき
第2章_混乱、混迷、ぐっちゃぐちゃ
第3章_新たな時代の足音が聞こえる
この本の内容拾い読み
幕末を知るための基礎用語
CreativeInspirationによるPixabayからの画像
幕末がよくわからないのは、理由は山盛りなのですが、まずは用語を押さえることが重要です。
藩・・・今の都道府県のようなもので、藩は地方自治体
幕府・・行政はもちろん、法律も作る、裁判もやる。権力一点集中のスーパー内閣
幕府と藩の関係は、地方に藩というそこそこ強い奴がいるけれど、幕府はそれをまとめる一番強いやつという関係性で、社会の教科書では「幕藩体制」と呼ばれています。
この藩もランクがあって
徳川一族を「親藩」、
家来のところが「譜代」、
ごく最近家来になったところろを「外様」
こんな分類になるのだそうです。
親藩で有名なのは徳川御三家で、どこも徳川家康の子供が初代を務めたスペシャル親藩が、「尾張藩」「紀州藩」「水戸藩」。
この三家は血筋が途絶えそうになった時には、この御三家から次期将軍を選ぶとのことで、さらに江戸時代の途中で御三家だけでは心もたないということになり、「田安家」「一橋家」「清水家」これが御三卿と呼ぶことになったとのこと。
そして幕府の政治を行なっていたのは、将軍と譜代だったそうで、格上の「親藩」は幕府の政治に一切関わらなかったそうです。
理由は徳川家が地方の大名だった頃からやっていたやり方を、天下を取った後も続けていたからなのだそうで、当時も徳川家のトップと家来が政治を行なっていたから、親族である「親藩」は政治に関わらないのだとか。
確かに、将軍が社長だったとするなら、親族が経営に入ってくるようなものなので、組織としては何代も長続きはできなかったろうと思います。
そして、幕末を理解するのに外せないのが朝廷。
朝廷・・・天皇をトップとした公家さんたちがいる政府のこと。
武士の時代になって力はなくなったけど、形式的には朝廷が地位を任命するという立場。
現在の大臣も天皇陛下が任命する形をとるので、イメージ的にはそれが近いのかも。
そしてこの朝廷がらみで使われる言葉が
尊王・・・天皇を敬うという考え方。
攘夷・・・夷は外国人で、外国人を攘うということで外国人を追い払うという考え方。
尊王攘夷・・・尊王と攘夷の合わせ技で、天皇を敬って外国人を追い払うという言葉。
結構、このあたりの言葉や意味がふわふわしていると、起きる出来事が???になりがちなので、このあたりは改めて復習しておくのは、この時代を読み解くのに重要になります。
ここが理解できているだけでも、結構理解が進みます。
終わりに
幕末がわかりにくいと思っている人は、この本を読むべきです。
個人的には、いろんな本や媒体で幕末を見たのですが、どうもわからない。
実際に学校の試験をクリアするくらいなら、この時代はキーマンも事件も盛りだくさんなので、これらを単語のように覚えてしまえばどうにかなります。
でも歴史はストーリです。
ストーリーが理解できないと、結局身につかないのも事実です。
この本でお笑い幕末ストーリーを読んでみては?
読んで損はない一冊だと思います。
ではでは。