【組織の改革のリアル】パナソニック覚醒

「パナソニック覚醒ー愛着心と危機感が産む変革のマネジメント」を読んでみました。

パナソニックに新卒で入って、その後外資系企業などに転身の後に、古巣のパナソニックに戻り改革を進めていくお話です。当時100周年を迎えた企業だったそうですが、組織の改革が必要だったようです。

パナソニックといえば、BtoCの一般顧客に家電を売るイメージの会社なのですが、今回の舞台は、パナソニックコネクトというグループ会社で、BtoBのビジネスを強く推進していく様子が書かれています。

具体的な社内の改革の手法として、いろいろな具体例が書かれているのですが、大きなところから、細部と思われることまで、いろいろな打ち手を実施していきます。

改革を行う立場にある方には、参考になる本です。

この本ってどんな本?

こんな方におすすめの本です。

・パナソニックの現在のビジネスを知りたい方
・徹底して社内を変えるという実例を見たい方
・100年組織の内部進化が大きく進まない理由を学びたい方

年間で一兆円規模の売り上げを作る組織が「緩い」と感じたところから組織改革が始まっていきます。

パナソニックから外資系企業に転身して、CEOの交代で8人の幹部が入れ替わる強烈なガバナンスを体験し、徹底的な成果主義を知った著者の樋口さんが、古巣のパナソニックに戻り改革を始めていきます。

樋口さんは、外資系企業だけでなく、産業再生機構からのオファーで、ダイエーの代表の経験もあるそうで、産業再生機構が保有株を売却するまでの間、代表を務めていたそうです。

ここまででも、すごいキャリアなのですが、樋口さんがパナソニックで手がける改革スピードと規模感もすごいです。どういう絵が見えていたんだろうな?と考えながら読んでいました。社員の方は、この改革について行くだけでも、すごいエネルギーを使ったんだろうなと思います。

改革の様子を記録した本や媒体はいくつもありますが、スケール感とスピード感が伝わってくる本でした。

読みやすさのイメージ

250ページくらいの分量です。
2〜3日くらいで読み終わると思います。

この本のポイントなどなど

働く環境を大きく変える

パナソニックの働く環境の改革は、本社を大阪から東京に移し、座席を固定しないフリーアドレス制を導入し、社長室や役員室は排除、個人の引き出しを無くしてペーパーレス化にしてしまったそうです。

これだけでも社内の衝撃は凄まじかったんだろうなと想像できます。

樋口さんは、「日本企業全体として、人の働く環境に投資するという考え方が希薄だ」「オフィスにかかるコスト削減を行い、損益計算面を見直すことよりも大事なことがある。」という考え方のようです。

私の職場でも最近これに近い体験をして、コロナ禍でオフィスが縮小になりつつある中で、都内から都内にですが、綺麗で広い機能的なオフィスに引っ越しをしました。

家賃も数倍になったそうで、正直、世の中に逆行していないか?経費削減した方がいいのでは?と思ったのですが、環境の変化は思った以上に大きいです。

私の職場の場合は、フリーアドレスやペーパーレス化にはなりませんでしたが、今までの書類や資料は1/10以下に減り、身軽になることで、スペースが広がりました。事務所の引っ越しには懐疑的でしたが、今となっては、引越しだけでも相当なインパクトを組織に与えるなと感じました。多分、投資効果は充分に享受できる気がしています。

パナソニックの場合は、本社を大阪から東京に移し、フリーアドレス、ペーパーレス・・・働いてる人達は、インパクトどころではない、強い衝撃を受けたんだなと思います。パニックだったんだと思います。

会議を圧縮する

会議の圧縮は、どこの企業も重要事項なのだと思いますが、でも偉いさんほど会議が好きな傾向にあるのも事実です。

パナソニックでは、「なんのためのミーティングなのかをはっきりさせる」「終わったときに次のアクションを明確にする」この二つを徹底することで、会議が半分に減ったそうです。さらに定例会議も減らしたそうです。こういった会議は増えることはあってもなかなか減ることは無いとの考えからなのだそうです。

顧客とコミニュケーションを取ったりする時間を確保するためには、会議の圧縮というのは、重要な取り組みという考え方なのだそうで、この会議が以前は増えまくって、その中には会議を儀式的にするために、事前会議や、その前に行う根回し会議なんかもあったそうです。さらに、週報という毎週の報告書も無くしたそうです。

それは顧客との時間がなくなりそうです・・・・・

ただ、事前会議や根回し会議を開催する気持ちは分かります。スムーズに物事を運ぶために生まれた仕組みなんだろうなということは理解できます。

しかし厄介なのが、この手の会議は増えるんです。
私の職場も近い世界の部分があって、下手をすると中間管理職の方の場合は、いつもなんか会議している人が実際にいます。

このあたりの改革は、「偉いさんほど会議が好きな傾向にある」その偉いさんが決めないと始まらないので、トップの考え方が全てなんだろうなと改めて感じました。

終わりに

パナソニックの近年の改革が記録された本です。このブログだけでは紹介しきれない内容が詰まっています。家電量販店で見せるパナソニックの姿とは、想像のつかないことばかりでした。パナソニックの意外な一面が見れると思います。

ではでは。



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