物置や東屋や茶室などの小さな建築物を作るときに、確認申請が必要なのか?
いきなり聞かれると迷うテーマで、小さいとはいえ建築物なので必要なのか?
それとも小さい建築物は対象外なのか?
結構聞かれるテーマなので、文章にしてみました。
結論
確認申請が「必要」なケースは以下の場合
1️⃣
都市計画区域、準都市計画区域、景観法の指定地域内に「建築」する場合。
(「建築」⇨建築物を新築し増築し改築し、または移転すること。規模は関係無し)
確認申請が「不要」なケースは次の1〜3の「いずれ」か
1️⃣
都市計画区域、準都市計画区域、景観法の指定地域の外に、小さな建築物を「建築」する場合。このとき
「確認申請は除外」
(ここでの小さな建築物は、基準法6条の一、二、三を除いたもので、基準法6条の一、二、三は、比較的規模の大きな建築物。
6条の一は、200m2超えの特殊建築物、
6条の二は、木造建築で3階建、または500m2超えなど
6条の三は、木造以外で2階建、または500m2超えなど)
2️⃣
「増築」「改築」「移転」の場合で、かつ3つの条件が満たされる場合は、
「確認申請は除外」
①すでに建築物が建っていて、同じ敷地内に追加で増築、改築、移転の場合であること。
②防火地域または準防火地域以外であること。
③10m2以内であること。
3️⃣
「一定規模の物置」の場合には、「建築」でも「増築」でも
「確認申請は除外」
国土交通省住宅局から出ている資料で、一定規模の物置は確認申請の対象から外すというもの。(この規定は建築基準法には直接書かれていないものなので、この規定を使おうとする場合は、各市町村に問い合わせるのが間違いないです。詳しくは下記参照。)
ここで語句の定義を確認しておきましょう
「建築」⇨建築物を新築し増築し改築し、または移転すること。
「新築」⇨何も建築されていない敷地に建築物を建てる行為。
「増築」⇨同一敷地内にある建築物の床面積の合計が増加すること。同一敷地内に別棟で建てても増築扱い。
「改築」⇨従来の建物を取り壊して、構造や規模や用途がほぼ同じ建築物を作り直すこと。
「移転」⇨同一敷地内において、建築物を移動させること。
「建築物」⇨土地に定着する工作物のうち、屋根および柱もしくは壁を有するもの。これに付随する門もしくは塀。
「国住指第4544号 小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」
『土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)のうち、外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないものについては、建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。したがって、建築確認等の手続きについても不要である。』
ちなみに工作物の場合もチェックが必要です
建築物ではない「工作物」にも確認申請の適用を受けるケースがあります。(建築基準法施行令138条)
・高さが6mを超える煙突
・高さが15mを超える柱(旗ざおを除く)
・高さが4mを超える広告塔、記念塔、装飾塔、記念塔など
・高さが8mを超える高架水槽、サイロ、物見塔
・高さが2mを超える擁壁
よく聞く!この話!
「10m2以内の物置や東屋なら確認申請はいらない?」
「10m2以内の物置や東屋なら確認申請はいらないはずだよ〜」
たまに聞くこのフレーズ、
無条件で「確認申請不要」・・・なんてそんな訳は絶対ないです。
この誤解をまねいていると考えられるのは、おそらく以下の条文たちなのでは?
◆(建築基準法6条2項)
確認申請について記載した条文この節の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10m2以内であるときは適用しない。
※この条文は新築については対象外
◆(建築基準法22条)
屋根材の規定について記載した条文特定行政庁が、・・・(中略)・・・ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積が10m2以内の物置、納屋その他これらに類する・・・(中略)・・・この限りでない。
※この条文は屋根についての規定
◆(建築基準法施行令40条)
構造部材の適用範囲について記載した条文この規定は・・・(中略)・・・ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積が10m2以内の物置、納屋その他これらに類する建築物については、適用しない。
※この条文は木造の構造規定であって確認申請は関係ない
以上、参考になれば嬉しいです。
ではでは。