【残酷すぎる幸せとお金の経済学】幸せのイメージが経済の目で変わってきます

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残酷すぎる幸せとお金の経済学 [ 佐藤一磨 ]
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幸せの定義って難しいですよね。
その中でも経済面が幸せに与える影響が大きいと思うんです。

個人に話を聞くと、幸せは結局気持ちのありようの部分が大きいので、幸せを数値化するのは難しいということになるのですが、この本は経済の視点から「幸せ」を調べてみた本になります。

幸せの計測は「圧倒的な数のアンケートの集計」という方法で計数化していきます。
そして、広く最大公約数的に幸せを感じることを探っていきます。

最大公約数的な幸せは、突き詰めていくと結局「誰か」との比較になってくるのですが、その「誰か」が〇〇さんのような顔が見える場合もあるかと思いますが、多いのはなんとなく周囲と比べて、メディアの情報と比べてなどの、顔の見えない相手が多いようです。

結婚、離婚、出世、子供などなど人生に大きな影響を与える出来事を中心に、「幸せ」についてのアンケート調査をまとめたものになります。

なんとなく感じる「幸せ」この正体、この本を読むと、なんかスッキリします。
スピリチュアルの方向に全振りして「幸せ」を選択する人もいるかと思いますが、「幸せ」って案外こんなもんと感じられる内容になっています。

数値化で示した「幸せ」をのぞいてみませんか?

目次
序章_「幸せ」の測り方
第1章_幸せはお金で買えるのか
第2章_出世すると幸せになれるのか
第3章_結婚したら幸せになれるのか
第4章_「子どものいる女性ほど幸福度が低い」のはなぜか
第5章_離婚したら不幸せになるのか
第6章_「家族ガチャ」で人生は変わるのか
第7章_なぜ日本の男性は幸福度が低いのか
第8章_「幸せのどん底」は何歳でやってくるのか
終章_経済学が導き出す「幸せの条件」とは

 

この本の内容拾い読み

他人との比較で幸福度が変わる?

Gerd AltmannによるPixabayからの画像 

お金ってどのくらい必要なんでしょうか?
一生使いきれないお金を手にする人というのは、ほぼいないと思いますが、ある程度資産を作れたらそこから先にお金が増えたとしても幸福度とは関係ないのでは?

2010年の理論で年収1000万円を超えると、幸福度は頭打ちになるという分析がありました。
この分析結果を出した2人の研究者がいて、その2人ともノーベル経済学賞を受賞するほどの、経済の世界では一目置かれる研究者なのですが、2023年に改めて新たな研究結果を出していて、年収1000万円を超えても幸福度は伸び続けたとのこと。

しかし、この幸福度は国全体が豊かになるなどの、みんなで裕福になる場合は、幸福度に変化がなかったとのことなんです。

嫌な言い方になりますが、要は自分だけ裕福になることに、幸せを実感できるのだそうで
「周りのみんなと比較して自分はどのポジションにいるのか?」が重要なんだとか。

比較が幸せを感じる要素になるというのは、この本の言葉を借りれば、
「人間の業の深さ」を感じてしまいます。

 

管理職になっても幸せにならない?

Malachi WittによるPixabayからの画像 

日本の研究で、管理職の幸せを調査したデータがあります。

管理職は給料は高いし、決裁権も増えるし、幸せ要素の方が遥かに多いと感じてしまうのですが、意外にも結果は昇進3年後時点で、男女両方とも幸福度の増加傾向は確認できなかったとのこと。

年収は増えたとしても、仕事のしんどさと給与が見合っていないと感じるストレス、管理職になった1〜3年後の自己評価の健康度が悪化したというデータが出たのだそうです。

ストレスや余暇の減少などが要因として考えられますが、管理職は楽しい嬉しいでは終わらない感じです。

厚生労働省の調査で、非管理職の61.1%が管理職になりたくないと回答したのだそうです。

勝ち抜いたら昇進が待っていて、そこに至るまでに競争や研鑽が行われることを期待している企業には、61.1%が管理職になりたくないのだとしたら、組織の発展のための前提条件が変わることになります。

難しい時代になっているのかもしれません。

 

終わりに

個人ごとの幸せの定義は難しくても、幸せを感じるということに経済の占める要素は大きいようです。
ちょっと生々しい幸せを考える一冊でしたが、その分腑に落ちることも多い一冊です。

人よりちょっと幸せになりたい。
ささやかな願いかもしれませんが、このささやかな願いをわかりやすく解説したこの本は、なかなか面白かったです。

ではでは。

 

 

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