【本屋さんの仕事がわかる】本屋図鑑 だから書店員はやめられない!

「本屋図鑑 だから書店員はやめられない!」を読んでみました。

本好きの私には、馴染みの深い場所「本屋さん」その本屋さんで働く書店員さんのお仕事を、4コママンガで解説してくれている本です。

書店員さんのイメージは、本の補充をして、レジ打ちをしてくれる人。比較的ゆったりとしたペースで働くイメージだったのですが、この本を読んでみると、「多忙」の一言です。

普段は分からない「本屋さん」のお仕事が少しだけわかる本です。

この本ってどんな本?

こんな方におすすめの本です。

・書店員の仕事の内容を知りたい方。
・本の選定、本の発注、本の価格など書店の動きを知りたい方。
・本屋さんが好きな方。

書店員さんという仕事を、4コママンガで描いた本です。楽しくマンガを読みながら、書店員さんのお仕事を知ることができます。

書店員さんは、普段何をしているのか?

商品のレジ打ち、本を探す時に問い合わせたら、調べたり教えてくれたりする仕事。利用者から見える部分はそのくらいなのですが、実は体力勝負の部分が大きいことがわかります。

本屋さんは開店前に大量の入荷を捌くことから始まるそうです。
つい忘れがちなのですが、紙って重いんですよね。
すでに力仕事からのスタート。

さらに、雑誌などについている付録などは、販売する書店で組み合わせてバンドやテープで固定するのだそうで、それらを作って陳列して、ようやく開店。

人手が必要な仕事です。
大幅な効率化は難しそうだなと、書店員さん個人の能力に依る部分は大きいなと感じました。

その後も受発注や、問い合わせの対応などなど、客の立場で見えている書店員さんの仕事は、氷山の一角ぐらいだったんだなということが理解できます。

この本で描かれている、書店員の方々は、どの人も本が大好きということが伝わってきます。仕事で、自分の扱っている商品が大好きというのは、少し羨ましいなと思いました。

面白い本でした。書店が好きな方にはおすすめです。

読みやすさのイメージ

200ページ弱の分量です。
読み終わるのに、2〜3日はかかるかと思います。

4コマ漫画と、漫画では説明が難しい部分は、イラスト付きの文章の構成となっています。漫画なのですが、読み応えはあります。さらっと読み終わるイメージでは無いです。

この本のポイントなどなど

本のバーゲンセールが無い理由

服でも食品でも雑貨でも値段を割り引くセール品というものがあるのですが、本については、たまにホームセンターなどのワゴンセールで見ることはありますが、本屋さんでは見たことがありません。

不思議だなと思っていたのですが、委託販売制度と再販売価格維持制度の二つの制度が、雑誌・書籍にはあるそうです。

委託販売制度というのは、雑誌や書籍は通常は出版社から借りているという状態であるということ、さらに再販売価格維持制度という出版社が価格の決定権を持つという、この二つの制度が全国どこでも同じ価格で、本屋ごとにバーゲンセールを行わない理由なのだそうです。

明治時代には、本の値引き販売がOKだった時代があったそうなのですが、その時は値引き競争が起きて業界が大混乱を起こしたとのこと。

食品や服のように自由経済に任せるやり方がいいのか、この二つの制度を使って安定価格を維持する方がいいのか、判断に悩むところですが、自由経済を導入すると初版価格が結構高値になりそうです。

最近浸透しつつある電子書籍の場合は、雑誌や書籍を通常は出版社から借りているという前提が変わってきそうですが、個人的には自由経済の概念は入れずに、このままでいいかなと思いました。

 

書店員さんは考え続ける仕事

書店員さんの仕事は、客層を考えて、どの本を仕入れるのか、どのコーナーに並べるのか、どう見せるのかなどなど、売るために考え続ける職業なんだなということが伝わってきます。

この本の中でも、考えて工夫した結果売れた。というエピソードがいくつか書かれているのですが、結果が出たときは快感だろうなって思います。

有名作家さんの新刊とかは個性的な積み方がしてあったり、カードサイズの手書きポップでPRしてあったり、いつも立ち寄るビジネス書のコーナーに、意外な本が並んでいたり、このコーナーにこの本か〜といった配置であったり、客の私がわかるレベルでもこれだけありますので、実際の書店員さんは想像を超える数の打ち手を試してるんだろうなと感じました。

考えたことをスピード感を持って、売り場に表現できて、比較的短いスパンで結果が出る。少し羨ましい商売だなと思いました。なかなかこういった仕事は少ないんではないかなと思います。

本屋さんの個性

本屋さんが好きで、私がいつも行く本屋さんが3〜4軒くらいあるのですが、あまり本屋さんに馴染みが無い人と話をすると、「どこの本屋も同じじゃないの?」と言われることがあるのですが、「うまく言えないんだけど、どこも同じなんかではなくて、違うんだけどなー」と思っていても、違いが明確に説明できなかったのですが・・・

この本を読んで知ったことで、客層の違いで仕入れる本やボリュームは変わっているんですね。家の近くの本屋さんと、会社のそばの本屋さんでは、客層が明確に違いますし、駅前の本屋さんと、ショッピングモールの本屋さんでも、客層は違います。

それらが積み重なって、結果として本屋さんごとの個性になってくるのかな?と感じました。よく行く本屋さんを思い出してみたのですが、この本屋さんはコミックが少ないなとか、高校受験の参考書が目立つなとか、本屋さんごとの商品ラインナップの違いの理由が、納得できる部分も多いなと思いました。

客層と商品が合わなさすぎると、客が減るという見方もできる訳で、書店員さんの能力が反映されやすい世界なのかなと思います。大変なお仕事です。

「どこの本屋も同じじゃないの?」については、これが全てでは無いにしても少しは説明できそうです。

 

終わりに

お仕事紹介系の本は多いのですが、書店員という切り口は初めて目にしました。本屋さんが好きな私には、楽しいの本でした。面白かったです。

ではでは。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA