【明るく人生を生き残るコツ】飯は食えるときに食っておく寝れるときは寝る

自衛隊で学んだ、不安や疲労に対する解消法、ライフハックが書かれた本です。

不安や疲労や人間関係で凹むことは、自衛隊が想定するような過酷な状況に限らず、普通の会社や学校に所属している人にもよくある話で、そんな時にこの本に書かれた方法が助けになるのでは?

いざとなったときには、国民の生命や財産を守ることを前提とした、自衛隊という究極の組織に使われている、ライフハックのスキルは一読の価値があります。

自衛隊への見方が変わる一冊で、
なんか救われる一冊です。

この本ってどんな本?

この本に書かれている考え方や回復方法は、本当にシンプルなことばかりですが、覚えておくだけで、気分が楽になります。全6章の構成で解説が進みます。

1章

弱い自分を守る方法が書かれています。この章の冒頭に陸上自衛隊で教えてもらった言葉から始まります。

「時がすべてを解決する」
「始まれば終わったようなもの」
「辛いと思うな、辛くなる」
「寝れるときは寝ろ」
「飯は食えるときに食っとけ」
「日が昇らない夜はない」
「ポジティブな言葉を言え」
「辛いときは笑え」

著者の経験から、自分は弱いと認識して、自分をどう守るかという考え方の方が、しなやかで強いという印象だったとのこと。

この章では具体的な守りの方法がいくつも書かれていますが、その中でも「アクティブレスト(積極的休養)」という考え方は試したくなる方法で、自衛隊の訓練が終わった後の休日にゴロゴロしていると、筋肉が張って逆に疲れが取れれにくくなるそうで、そのために運動したりサウナに行ったりとすることが効果的なのだとか。

2章

この章はこの本のタイトルにもなっている、「飯は食えるときに食っておく寝れるときは寝る」のように回復方法と万全な状態でいるためのことが書かれています。

色々なテクニックを教えてくれていますが、飯を食って、寝るという、睡眠と食欲を大事にすることで元気が出てくる教えは、シンプルで基本的なことですが、忙しいときや追い込まれたときに、一番疎かにしてしまう部分なので、いざというときに優先順位を間違えない選択をしたいなと気が付かされます。

この本では、万全な状態でいるために運動は大切なこととされていますが、しかし、筋や関節を痛めるとどうしようもないとのこと。結果「筋肉は裏切らないけど、関節は裏切る」んだそうです。適切な運動がいいということでしょうか。

3章

この章は仕事術についてです。普段の仕事のポイントは、「やる気が無くてもできる工夫をする」だそうです。やる気のある時に仕事ができるのは当然ということで、とりあえず作業を始めると、作業興奮という状態になるそうで、そこまでやってもイマイチなら諦めるのも大事だそうです。

組織で働くメンタルハックについてもいくつか書かれているのですが、この章で多く取り扱われるのは、あなたが上司や指揮官である場合についてです。自衛隊という有事には命と隣り合わせになる確率が高い職業の、上司や指揮官の考え方は一読の価値ありです。

陸上自衛隊には、「指揮官は部下の性格や能力がわかるまで3ヶ月かかる。しかし部下が指揮官をわかるには3日で足りる」という言葉があるそうです。
なんか身につまされます。

4章

この章は人を見る目と付き合い方についてです。身の回りには色々な人がいますが、人によって付き合い方を考えないと、こっちが消耗してしまうケースは多いと思うのですが、この章では自分のメンタルを守るための方法論がいくつも書かれています。

人を見る目と付き合い方は難しい判断ですが、判断する上で気をつけたいのが、
「人間関係でイラッとした時には、その人に悪意があるかどうかを判断基準にする」
「基礎知識の無い問題意識を持った人とは、その問題解決の議論は空回りする」

これらは働いていると起きやすいトラブルで、こんなことでメンタルを消耗したくないのですが、最小限のダメージで終わらせたいところです。

5章

若い人たちへ伝えたいことがこの章のテーマです。

著者の感じた色々が書かれているのですが、優しくされたかったら勉強することを勧めています。シビアな話ですがスキルや知識が無いために、労働市場でぞんざいな扱いを受けることは理解しておいたほうがいいそうです。

知性や品性を身につけるために読書はお勧めで、身銭を切って本を買うことも大事だそうです。他にもいくつも伝えたいことが書かれていますが、自分を守るためには大事なことが多いなと思います。

6章

最後の章です。著者が働いていた陸上自衛隊でのエピソードが満載です。

ここでは常に極限状態で働いているイメージだったのですが、クスッと笑えるエピソードも多く書かれていて、陸上自衛隊のイメージが少し近くなる気がします。

そんな中でも、著者の自衛隊と自衛についての想いについては考えさせられます。
「自衛隊好きは戦争好き」と言われることがあるそうで、その点については「消防隊好きが火事が好き」とは言われることはないように、「自衛隊好きは戦争好き」などということは、決してないとのこと。

そして、「自衛隊が無くても米軍が守ってくれる」これは間違いなのだそう。
なんとなくのイメージで、他国から攻められたら米軍はすぐに助けてくれると思っていません?
米軍には自らの血を流さない者は助けないという鉄の掟があるのだとか。
東日本大震災のときに米軍の支援がありましたが、それも自衛隊が震災対応に命をかけたからなのだそうです。

さらに、戦争の考え方で「戦争するくらいなら、抵抗せずに国を渡せば良い」という考えは、決して容認できるものではないとのこと。
占領されてしまった後に、不条理で納得できない状況になる可能性は充分あり得ることで、領土問題で「小さな島くらいあげてしまえばいい」は、そこを埋め立てられて基地などの軍事施設を作られてしまう可能性も充分ありうることなのだそうです。

このあたりを訴える人は、言葉はキツいですが平和ボケという状態なんだろうなと感じる内容です。

終わりに

自衛隊では、「仕事よりも家族」「家族よりも任務」なのだそうです。有事の際には自分の家族よりも任務を優先する教えなのだそうですが、記憶に新しい東日本大震災での活動などを見ると、いつ有事になるかがわからない状態と背中合わせだという、覚悟を持って働く職業なんだなと再認識しました。

普通の仕事では抱かない覚悟です。こういった組織で働くメンタルの保ち方や守り方は、普段の生活にも参考になるなと思いました。勉強にもなりますが、読み物としても面白い本でした。

自衛隊の方への感謝は忘れないようにしたいです。

お勧めの本です。
ではでは。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA