「数値化の鬼」を読んでみました。
仕事上発生することは数字に置き換えて、冷静に様々なことを数値化することで、分析や判断などを行っていく手法を解説したものです。
味気ない世界のようにも思えますが、数字に向き合って向き合って、最後に数字が全てではない世界に行くことができるという内容の本です。
かなりハードな内容ですが、ビジネスをする上では読むべき本かなと思いました。
この本ってどんな本
こんな方におすすめの本です
・ビジネス上で起きることを、クレバーに分析したい方
・自分の働き方や考え方を見直したい方
・管理職、指導をする立場にあるビジネスパーソンの方
ビジネスで判断を下す際に、判断する情報はたくさんありますが、これらを数値化して判断材料とし、改善するべきことも同様に数値化することで、クレバーな判断を下すことを解説した本です。
この本を読めばわかりますが、ビジネス書の中では、かなりマッチョな内容です。
「行動量」にこだわって、「確率」を考えて、「変数」として、どの部分を変えて、どの部分を変えないのかの判断を下し、「行動量」に反映させていく感じです。
この方法を徹底するために、さまざまなことを数値化し、判断の根拠を明快にすることをを求められます。徹底すると基本的に情報はガラス張りになりそうです。
このやり方は、他人にも自分にも厳しい働き方になりますが、書かれている内容は、「厳しいけれど、そうだよなー」といったものばかりです。
この本は、「行動量」は重要視しますが、省力化で少ない労力で成果を上げることは、あまり考えていません。(この本の内容を徹底した結果、省力化になる可能性はあると思いますが・・・)「行動量」を増やすことが重要とのスタンスです。
自分の関わるビジネスを見直して、改善を考えていくのには、いい手法が書かれた本だと思います。何よりも個人レベルで小さく始めることもできるので、導入の手軽さも良いと感じました。
読みやすさのイメージ
300ページ弱くらいの本です。
2〜3日くらいはかかるかと思います。
伝えているメッセージはシンプルです。自分を振り返りながら読むことになると思いますが、色々なものを突きつけられます。意外に疲れるかもしれません。
この本のポイントなどなど
「数字はお互いの誤解を無くしてくれる」「数字は感情を切り離してくれる」
この本では、数字の効能が書かれているのですが、その中でも「お互いの誤解を無くしてくれる」「感情を切り離してくれる」ということが書かれています。
お互いの意見の食い違いは、ビジネス上では日常茶飯事なのですが、結論がクリアにならないジャンルのものは、お互いの人間関係で、ある程度決まってしまうことが多いので、数値の部分に注目するように議論するだけでも、改善の方向に進むことができるかなと思います。
特に感情面については、アンガーマネージメントなど怒りのコントロールに関する本や、アドバイスは多いのですが、結果はどうであれ、数値化でお互いにある程度の納得が得られるのならば、前向きな方法だなと感じました。
変数と仮説
変数とは、大雑把に書くと、この数値を変えると結果が変わってくるもので、例えば仕事の場合、売り上げを向上させたいという目標があって、そのためにアポの件数を変えるとか、アポ取りの電話の数を変えるとか、などで、それらを変えることで、売り上げなどの目指す数値が変わるものが変数としています。
この部分の説明に、大幅にページを割いていますので、詳しくは本書をみてください。
この変数も、仮説とそうではないものを区別することが求められます。例えば、上司から「アポ取りの電話の数を倍くらいに増やすべきなんだよ」と言われた場合、この倍という数値が求める変数なのか?については、上司の「倍」というコメントは仮説と考えるべきとのこと。
確認や実証を繰り返して、求める変数にたどり着くことが必要とのこと。この本でも書かれていますが、PDCAを回すことが大事で、このトライアンドエラーが仮説とそうではないものを区別する方法だそうです。大変ですが、この方法しか無いのも事実です。
終わりに
この本は、比較的強い書き口で、耳に痛いことも多く、ちゃんと実行するのであればハードな内容なのですが、内容としては難しいことは書いていなくて、考え続けることと、動き続けることが大事というスタンスの本だなと感じました。
確かにそうだよなーと思うことが満載です。
自分を見直すきっかけになると思います。
ではでは。