美術館行ってます?
この本は美術館を運営する学芸員が普段どんな仕事をしているのか?
学芸員は、美術館の展示室の隅っこで椅子に座っている、監視が仕事の人って思っていませんか?
(展示のためのスタッフだそうです)
学芸員から見た美術館との向き合い方や付き合い方を書いた一冊になります。
学芸員は監視がお仕事ではなく、美術館の運営や、企画展の計画と実施など、一般の人が学芸員の仕事に持つイメージを超えた内容の仕事をしています。
ちなみに、たまには芸術に触れようと思って、美術館に行こうかと思っても、どこに行くのがいいのか?結局は話題の展示会のCMやポスターを見て、そこに行くというのが多いのでは?
この本は美術館との付き合い方も教えてくれます。
この本を読むと、美術館に行きたくなります。
そんな美術館の裏側、付き合い方をこの本で知ってみませんか?
目次
1_一つの展覧会ができるまで
2_学芸員という仕事の舞台裏
3_美術館をもっと楽しむためのヒント
4_美術館を支える仲間たち
この本の内容拾い読み
狭き門の学芸員になるためには?
Ryan McGuireによるPixabayからの画像
美術館の学芸員は狭き門のイメージがあります。
商社やゼネコンのように、業界として毎年たくさん新卒を募集するイメージは無くて、一般的には学芸員になるには美大などを卒業した、美術教育をしっかりと学んだ中から、選りすぐりの人材のみが学芸員になる。といったイメージでしょうか?
この本では、そのあたりを解説してくれていますが、まずは国家資格の学芸員資格を取得する必要があるとのこと。
基本的にこの資格は、大学で学芸員養成課程の単位を取得すれば、自動的に学芸員資格が得られるとのこと。
(他に文部科学省が行う資格認定に合格する方法もあるそうです)
この本では、スタンダードな流れとして、大学4年間で資格をとり大学院で専門性を高め、美術館に就職するというパターンが多いそうです。
就職は美術館が公募するタイミングを見て、個人がエントリーする方法だそうですが、
1館あたりの平均の学芸員の人数は3.93人なのだそうで、この人数の少なさが学芸員になるにはボトルネックとなっているようです。
学芸員でも現代アートは難しい?
普通の人が現代アートを見て思うこと「これって一体何?」ですよね。
美術の教科書とかに出ていた、昔の美術作品はまだ理解がしやすいんです。
モチーフが風景だったり動物や人だったりと、作者の深い意図は理解できなくても、作品をなんとなくは理解はできるのですが、現代アートは・・・・・・です。
学芸員であったとしても、「なんだこれは?」と固まるのだそうです。
ピカソの絵であったとしても、モネの睡蓮だったとしても、当時は教科書「これって一体何?」だったようですが、それを説明する人がたくさん現れて、理解が進むという流れになるそうなんです。
現代アートは作者自身ですら上手く説明できないケースもあるのだとか。
そう聞くと、見ている私たちも少しホッとしますね。
ちなみにこの本では、現代アートを楽しむポイントを紹介しています。
現代アートの楽しみ方
・アートに触れて揺れ動く自分の感情に身を任せること。
・わからない状態をストレスとせずに、わからない状態を楽しむこと。
これなら楽しめそうです。
終わりに
日本全国には数千の美術館・博物館があるそうで、超有名な美術館もいいですが、気楽に立ち寄れる美術館の発掘も楽しそうだなと思います。
学芸員さんの奮闘ぶりを知ってから、美術館に行くと面白そうです。
ではでは