【リクルートがどうやって生まれて大企業になったのか?】起業の天才

「起業の天才 8兆円企業リクルートをつくった男」を読んでみました。

リクルート。この超有名企業ですが、一代で一気に8兆円規模の企業になったのですが、どうやってそんなことができたのか?そして昭和世代の方ならば、未公開株と不正献金疑惑のダークなイメージがつきまとう、創業者の江副さんとは一体どんな考え方を持った人なのか?

この本はリクルートの創業から、江副さんが亡くなるまでをリクルートの成長と共に記録した本です。
今の世の中では、信じがたい方法で成長していきます。

面白い本です。昭和世代の方には特にオススメです。

この本ってどんな本?

こんな方におすすめの本です。

リクルートはどう生まれた企業なのかを知りたい方
リクルート疑惑は一体なんだったのかを知りたい方
江副浩正とはどんな人物なのかを知りたい方

大企業リクルートの誕生から、創業者の江副さんが亡くなるまでを追った記録です。

当時の就職や広告などの常識や慣習を打ち破って、新たなニーズを掘り起こした活動がスタートとなります。就職活動をリクルートと呼んだり、就活スーツをリクルートスーツと呼んだりしますが、この言葉の語源です。

その後、リゾート開発などの不動産業に傾倒して、企業規模が一気に大きくなります。バブル時代の追い風を完全に捉えたやり方です。併せてパソコンの可能性を早くに察知して、情報産業にも進出していきます。

この頃をピークに、未公開株と不正献金疑惑の対応がメインになってきます。この本の序盤で、本当に未公開株の譲渡は、当時の法律や慣習でNGだったのか?判断が難しい面もあるようですが、ここからの検察の追い込み方が凄まじいです。

その最中にバブル崩壊が始まり、不動産系の関連会社が次々と経営不振に落ちていきます。最終的にはダイエーの支援を受けて、リクルートの経営から手を引ことになります。

経歴をつまんでいくと、ものすごい上昇と転落の人なのですが、この過程は凄いです。この時代にリクルートで働いていたら、頭がどうにかなりそうだなと感じるくらいの内容です。

昭和世代の方には、当時の報道は一体何だったのか?
平成生まれには、バブルという時代を知る資料として、
この本をオススメします。
面白かったです。

読みやすさのイメージ

450ページ強のページ数です。
読み終わるのに4〜5日くらいかかると思います。

分厚い本なのですが、物語を呼んでいるかのように読めます。
この題材に興味がある人であれば、スイスイと読み進められると思います。

この本のポイントなどなど

成長する企業の勢い

リクルートといえば、就職に関する言葉の代名詞ですが、このリクルートの黎明期から急成長のカーブ位を描き始めるまでの期間の、社内の雰囲気は凄いです。

打つ手の全てが上手くいったわけではないのですが、江副さんが決めたことを、とにかく成功させようとするガムシャラ感の凄さを感じます。

今の国内企業で、こんな勢いを持っている企業や業界というのは、見当たらない気がします。海外企業であれば、GAFAMやネットフリックスの勢いが、当時のリクルートに近いのかもしれません。

リクルートが成長曲線を描き始める頃に、大企業がリクルートと同じ市場で同様のビジネスを仕掛けてくるのですが、それらを共通の敵として社内で団結して、打ち勝っていく過程は、当時そこで働いていたら、「熱狂」そのものだったと思います。

バブル景気は麻薬

リクルートは不動産情報誌を創刊し、自らも不動産事業に傾倒していくのですが、当時は自ら情報発信業を行っていて、実際に不動産の取引をするという手法は、ルール上OKだったのですが、このやり方はインサイダーなのでは?と倫理上の問題も指摘されていたようです。

ただ、それをやってしまいたくなるくらい、バブル期の不動産の値上がりは凄まじく、求人情報の広告で得る利益が霞んでしまうくらい、資産が増えたそうです。未来が分かるのならば、当然、過剰な土地への投資などしないのですが、目が覚めるまではやめられなかった様子も伝わってきます。

バブル関連の本は、この他にもいくつか読みましたが、土地に魅せられたケースは多くて、当時の日本の好景気感は土地価格の上昇が土台だったんだなと、改めて実感します。

バブル景気は麻薬だったんだなと、再認識しました。

リクルート疑惑とは?

リクルートという企業の歴史をみる上で、外せないのがリクルート疑惑です。

このあたりの描写はリクルート側からの視点で描かれていますので、当時、未公開株の譲渡をされた、または割安な価格で購入した、政治家や経営者が軒並み、同義的責任をとって役職から辞任しているのですが、この本にも書かれていますが、当時から慣例として、公開前の株をお世話になった方に持って頂くということは、普通にあったそうです。

当時のルール上で、一体何の犯罪を犯したことになるのか?実際の罪に対する仕打ち以上のダメージを受けたように見えます。ただ、敵を多く作り過ぎたことは間違いないようです。

詳しくは、本書を確認頂きたいのですが、何が起きて、なぜ罪に問われ、なぜこうなるのかは、当時の騒動から時間が流れた今、改めて認識する必要があるなと思いました。

終わりに

リクルート創業者の江副さんが作った、リクルートという企業を、江副さんの人生と共に追った本なので、晩年に近づくにつれて寂しい内容になっていくのですが、残した功績や影響の凄さを改めて感じる本でした。本当に面白い本です。

ではでは。

 


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