世界最大の人材コンサルタントで、ヘッドハンター(正確にはエグゼグティブ・サーチというそうですが)として、30年近いキャリアを積んで来られた、著者が、今、企業に求められる人材として「悪ガキ」という切り口で人材について解説した本になっています。
巻末には、「悪ガキ」の思考と行動がわかるブックリスト30という、オススメ本30冊も紹介してあります。私もいくつか読んだ本が入っていましたが、面白かった印象の本ばかりです。
自分という人材を見つめ直す機会になる本かなと思います。
この本ってどんな本?
こんな方におすすめの本です
・現代企業に求められる人材を知りたい方?
・「悪ガキ」とは?「悪ガキ」の特徴を知りたい方。
・ヘッドハンティングされる人材とは?
堀江貴文
中田敦彦
三木谷浩史
この本で「悪ガキ」の例として紹介されている著名人の方々の一部です。なんとなくイメージがつきそうです。
ヘッドハンターとしてスカウトをしていく中で、今までは頭脳明晰で勤勉、並外れた才能と高い人格を持つ人が、成果を出す人材だったようなのですが、2000年に入ってきてから、これには当てはまらない人材が成果を出し始めるようになったとのこと。
昔は確かに、頭脳明晰で勤勉、並外れた才能と高い人格。これがリーダー像だったのは間違いないです。今でも尊敬されやすい人の特徴だとは思います。
現代では、アップル創業者のスティーブジョブスや、アマゾンのジェフベゾスなど、今回の悪ガキの定義に入る人が、大きく成果を出す人に変わってきたんだなと、この本で再認識しました。
「悪ガキ」を学ぶことができる一冊です。
読みやすさのイメージ
250ページ弱の分量です。
2〜3日くらいで読み終わると思います。
特徴の説明であったり、人物評であったりと、色々な内容が入ってくるので、飽きずに読めるかなと思います。
この本のポイントなどなど
転職ごときに躊躇しない。転職が当たり前の時代。転職しないのは最大のリスク。転職していない人=使えないという時代が来る。
この本で出てくるワードの一部なのですが、転職未経験者からすると、「そうは言っても・・・」となってしまいますが、最近はこの転職のススメが、色々なメディアなどで目につくようになってきました。
「転職はリスクが高くても、転職活動はノーリスクなんだから、自分の市場価値を見極めるため、視野を広げるために動いた方がいい」
この論理になるのですが、なかなか勇気のいる行動です。特に新卒で会社に入ったときに、その会社にそんな文化が無かったり、そもそも人材流動性の低い業界にいる場合は、本当にイメージがつきません。
年齢にもよりますが、転職活動をした際に、ものすごい低い評価になったときに、気分がへこみそうです。
ただ、これからの時代、転職が当たり前になった場合に、転職はしなかったとしても、転職活動をしていないということは、かなりのリスクだなとは感じました。
転職活動は、実際に信用できそうな転職エージェントの会社を選んで、登録して、話をして、履歴書を作って、そのときには自分が何をやってきたのか、何ができるのか?を棚卸しして、条件を詰めて、エントリーして、相手方と接触して・・・
私も転職活動はしたことがないのですが、思いつくだけでもこれだけ出てきます。
自分の意思で転職するのなら、時間的余裕や精神的余裕があるので、じっくりと詰めていけると思うのですが、リストラや早期退職や望まない転勤などの、勤めている会社都合の場合は、時間的余裕、精神的余裕がなくなりそうなので、どこまで自分を持って動けるのか?自信がありません。
リスク管理の一環として、転職活動の世界は少しづつでも準備していくべきなんだなと感じました。
求められる人材の激変
「頭脳明晰で勤勉、並外れた才能と高い人格を持つ人」が、私が社会人になった時代の、能力が高い人のイメージで、当然、そうなりたいと思って努力し、マナーなども身につけていく。というのが、定番の型だったのですが、最近、この本で出てくる「悪ガキ」とされる人達が本当に増えたなと思います。
昔から、この「悪ガキ」タイプは組織に数パーセント存在していたと思いますが、組織の中のスパイス的な役割だったと思います。
いつも主役では無いし、組織の本流を歩いてもいない、ただし、有事の時には「悪ガキ」が力を発揮するイメージです。
最近この「悪ガキ」本当に増えたなと思います。
昔と違ってメディアもテレビや雑誌や新聞以外に、YouTubeをはじめ、ネット上での情報が爆発的に増えたので、”成功した「悪ガキ」”を目にする機会が増えました。
大きな組織で上昇志向を持って働く分には「頭脳明晰で勤勉、並外れた才能と高い人格を持つ人」は良いと思うのですが、あまり役に立たないスキルになっていくのかもしれません。ちょっと嫌な世の中ですけど。
ただ、この本でも悪ガキとアウトローは違うと書かれていて、「悪ガキ」ではない私は、「悪ガキ」と付き合うとしても、アウトローとの見極めは注意しないとな。とは感じました。
終わりに
時代が変わって、技術が変わって、求められる人材が変わっていくのは、当たり前だとは思うのですが、今まで通りの高い人格を求めることは、社会人としては普遍的なことだと思っていた私には、新しい情報を認識する良い機会になりました。
面白い本でした。
ではでは。