「会社で働く以上は、損益計算書や貸借対照表などが読めないとね」
こんなことを新人時代に言われた人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、働き始めると知らなくても、経営者や経理以外で働いていれば、どうにかなるのも事実。
でも読めるに越したことはないのが、この会計の世界。
そして、ベテランになり、役職が上がっていくと、ある程度わかっていないと判断を間違えてしまう可能性も出てきます。
とはいえ、自分の会社の損益計算書や貸借対照表を見ても、なんのことやらとなっている人も多いのでは?
この本は、会計の基本となる損益計算書や貸借対照表を”ざっくり大きく掴むこと”を目的とした本になります。
会計に出てくる言葉を一個一個理解してどうしてこの数字になっているのかを理解するのは、自社のデータを見ても難しいのですが、大きく掴むこと自体は、この本を読むと意外に簡単と感じてしまいます。
全くわからない人でも、まずは大きく全体を掴むことから始めるのは、会計を理解するのには意外と近道なのかもしれません。
この本で、会計をざっくり大きく掴んでみませんか。
目次
序章_会計をシンプルに理解するために「5分だけ」経営を学ぶ
第1章_会社の数字は「2つのパズル」でシンプルに読み解ける
第2章_会計がシンプルに身に付くブロックパズルのつくり方と使い方
第3章_起業の準備や業績アップにもブロックパズルが効く
第4章_ブロックパズルを使って部門別に利益を積み上げる
第5章_値上げを実現するにもブロックパズルは使える
第6章_取引先選びや就活にもブロックパズルは応用できる
この本の内容を拾い読み
会計ソフトに任せておけば大丈夫?
Alexandra_KochによるPixabayからの画像
会計がわからないのであれば、会計ソフト
なんなら生成AIにでも任せておけばいいのでは?
テクノロジーの発達したこの世の中、こういった発想が出てくるそうなのですが、この本ではその考えは危険だと警告しています。
確かに、会計ソフトや生成AIの発展は凄まじいものがありますが、「決断は自分でするもの」なので、いくら数字が並んだとしても、この会計の数字がどういったものなのかがわかっていないと、判断が下せないというのが理由になります。
確かに生成AIに「この出費を削った方がいいですよ」「これに投資した方がいいですよ」と言われても、100%信じるのはちょっと怖いですし、生成AIを根拠に説明するのもちょっと信用を失いそうです。
経理の仕事や税務の仕事に就くのでなければ、この本でも提唱している、大枠を掴むというのは現実的なアプローチに思えます。
値上げは怖い?
FlyFin IncによるPixabayからの画像
値上げの判断って難しいですよね。
実際に値上げに踏みきれない経営者も多いのだそうです。自分で値段を上げるには、上げるだけの理由を求めてしまいがちなのですが・・・
人は「高い」「安い」を何と比べているのか?
1_世の中の相場観
2_自社の過去の価格
3_買い手の価値観との相性
4_全く違う分野の価格
5_コストパフォーマンス
全く違う分野の価格の例として、著者は経営コンサルタントを名乗って、税理士の報酬が5万円くらいの時に、ある会社に月15万円で契約しないかと営業をかけて、「高い」と言われたそうなのですが、
「新入社員一人を雇う金額で、幹部社員のようなコンサルが手に入ります」と営業をかけたところ、納得いただけたとのこと。
1から5を何回も考えていくと、いろんな問題や打ち手が見えてきそうです。
終わりに
この本では、ブロックパズルという会計を大きくとらえる考え方を丁寧に説明しています。
経理でも税理士でもないのであれば、大きく捉えて必要に応じて、解像度を上げていく方法は、有効だなと感じました。
会計に苦手意識を持っている人は、一読の価値ありです。
ではでは