「「言葉にできる」は武器になる。」を読んでみました。
この本ってどんな本?
コピーライターの著者が、伝える言葉を作っていくための、考え方や流れを紹介してある内容となっています。
この本を書かれたのは、「世界は誰かの仕事で出来ている」「その経験は味方だ」などの、有名コピーを作られた方で、第一線のコピーライターが考える、言葉に対しての向き合い方を知ることができる内容になっています。
少ない言葉で伝える必要のある、コピーライターの他にも、組織のリーダーなどにはお勧めの本で、ライターやブロガーなどの、比較的長い文章を書く仕事をしている人にも、普段使っている言葉や文章について、改めて考える機会になる本です。
この本をオススメしたい方は?
・コピーライターを目指す方
・組織のリーダーなどで、自分の言葉を伝える機会がある方
・伝わる言葉を作るための考え方を学びたい方
この本のポイントなどなど
言葉は二つに分けられる
言葉には2つに分けられるとされていて、
一つは内なる言葉で、自分の中で考えたり、頭の中で言葉を選択するなどで、
もう一つが、外に向かう言葉として、意見や文章などを、自分から外に発したものなのとのこと。
この本では、まず内なる言葉として、自分の意見を育てることが大事で、この過程が甘いと「口は達者だが、中身の無い人」が出来上がるとのこと。そういう人いるよなーと思いました。自分がそうでないことを願っているのですが、気をつけたいです。
心に刺さるフレーズ
言葉を作っていく具体的な方法や、考え方などは本書で確認頂きたいなと思いますが、短い言葉で伝える必要があるコピーライターの、言葉を削って磨いていく過程は、普段の仕事にも役に立つなと感じました。
本書では、参考例として有名なフレーズが紹介されているのですが、聞いたことはあったけれど、改めて心に刺さるなというフレーズが多く出てきます。
◆例え、比喩を使った例
・リーダーとは希望を配る人のことだ(ナポレオン・ボナパルト)
・あきらめたらそこで試合終了ですよ(安西監督)
・前進できぬ駒はない(将棋棋士 中原誠)
◆繰り返す、反復を使った例
・絶対は絶対にない(織田信長)
・世界で一番美しい色は、自分に似合う色よ(ココ・シャネル)
・未来を考えない者に、未来はない(ヘンリー・フォード)
◆対句、ギャップを使った例
・努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る(井上靖)
・楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ(ウィリアム・ジェームズ)
・人間は負けたら終わりなのではない、辞めたら終わりなのだ(リチャード・ニクソン)
◆断定、言い切る例
・我が辞書に不可能の文字はない(ナポレオン・ボナパルト)
・一本の良い木には、何万もの鳥が休むことができる(ビルゲイツ)
・明日描く絵が一番素晴らしい(パブロ・ピカソ)
◆呼びかける、感じる言葉を使う例
・やってみなはれ、やらなわからしまへんで(鳥居信治郎)
・困れ、困らなきゃ何もできない(本田宗一郎)
・小さなことを重ねることが、とんでもないところに行く唯一つの道(イチロー)
どれもいい言葉です。
言葉の意味の定義
最後の章で、似たような使われ方をするけれども、意味が違う言葉の例がいくつか出てくるのですが、その中でも、おーと思ったのが、会議と議論の意味の定義の違いで、著者は「会議は、ただ話し合うこと。議論は意見をぶつけ合うこと。」としており、この考え方が仕事上の相手に共有されているといいのにな、と思いました。
結構この部分のイメージのズレで、普段の仕事上で、会議をしたいのか、議論をしたいのか、議論はしたくないのか。このあたりの感覚の違いで、うまくいかないことは、よくあるので・・・・
言葉の意味を考え直して、定義付けをしっかりすることは、改めて考えないとなーと感じました。
この本の読みやすさのイメージ
250ページくらいの内容です。
2〜3日程度は、かかると思います。
言葉を作ることについて書かれた本なので、我が身を振り返りながら読むことになると思います。
250ページと、決して多くない分量の本ですが、読み始めると意外に時間がかかると思います。
良い本だなと思いました。
ではでは。