「建設DX デジタルがもたらす建設産業のニューノーマル」を読んでみました。
この本ってどんな本?
建設関係のDX最前線がわかる本です。建築専門誌の日経アーキテクチャー、日経コンストラクション、日経クロステックに掲載された建設関係の DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の記事に追加取材を行なったものだそうです。
現在色々な分野で、AIやIoTなどのインターネットなどを介在した商品やサービスがたくさんありますが、建設業界とテクノロジーの組み合わせについては、日本はどうなっているのか?最先端情報が書かれた本です。実際のこの分野の仕事をしていないと、普段は知り得ない世界で、知らない分野については異業種見学の気分が感じられる本です。
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この本をオススメしたい方は?
・建設業界で働いている方
・建設業界で働こうと思っている学生の方
・建設業界をちょっと覗き見してみたい方
こんな方々にはオススメの本です。
建設業界の最新のデジタル機器やサービスなどの最前線が分かります。身近な建設は戸建て住宅だと思いますが、建設の業界に馴染みのない方は、この本を読むと建設の世界は意外に広いと感じられるのではないかと思います。
学生の方で建設業界で働きたいなと思われる方は、この本はオススメで、建設業界の仕事の幅の広さを感じられるのではないかと。
私の仕事も少しだけ、この業界に関係していますので、最前線の情報は面白かったです。この本は、この業界にがっちり入っている方が、一番面白く読めると思います。
建設業界は幅広いので、働いていると専門分野以外の仕事をするケースが少ないので、この本を読むことで、業界全体の最新トレンドを知る良い機会になるかと思います。
ページ数と読みやすさのイメージ
400ページ強くらいの内容です。
さらっと読み終わる分量の本ではありませんが、細かく色々な話題が詰まっている感じなので、ページ数のわりには読みやすい本だと思います。この業界に身を置いている方であれば、難なく読み終わるのではないかと・・・
この本のざっくり紹介
日経アーキテクチャの大増刊号みたいな本です。間違いなく建設系のDX最前線なんだなと思います。この本では、以下のテーマについて解説が進みます。
・ゼネコン研究開発2.0
・リモートコンストラクション
・BIMこそが建設DXの基盤である
・創造性を解き放つ建設3Dプリンター
・モジュール化の世紀、舞台は現場から工場へ
・「建設 X AI」で単純作業を爆速化
・建設テック系スタートアップ戦記
・全てはスマートシティーにつながる
そもそも建設関係は計画から引き渡しまでの間に、ものすごく大量の工程がはさまっていて、たくさんの専門家が関与していて、その中で仕事の種類を見ていくと、とんでもない数になるので、業界全体で、DX化というのは難しいんだろうなと感じました。
単純作業や、繰り返し似た作業を行うような部分に、導入を始めているケースが多い印象を受けました。確かに働く人から見ると、まずはここからどうにかしたいと思いますものね。
この本を読んでいると、その単純作業ですら難しいということが伝わってきます。家の中でロボット掃除機を動かすのと同じ感覚で、重機を動かすわけにもいかなくて、さらに建設現場は全く同じ条件での作業などありえないことも、DX化の大きな障壁になっているケースが多くみられました。本当に難しい。
色々な取り組みが紹介されているのですが、私が一番興味を持って読んでいたのが、3Dプリンターで家を作る取り組みの部分で、この分野が発達したら住宅に対する、一般消費者の感覚が変わってしまうなーと感じました。製造技術やプリンターがより進化していけば、短期間で建築物ができてしまう。おそらく建設にかかる費用も、ものすごく下がる予感がします。
この本には、ガンガン未来を感じるDXもあれば、泥臭いDXも両方知ることができます。面白い本で、建設業界は面白い世界だなと改めて感じました。読んで良かったです。ではでは。